福島県いわき市で3月11日に提供される予定だった赤飯の給食約2100食分が、「追悼の意を表すべき特別な日にふさわしくない」という理由で廃棄された問題。同市の内田市長は16日に会見を開き、Xにも「教育委員会と密接に連携して対処していく」と投稿するなどして事態の収束を図っているものの、依然として批判の声は収まっていない。
「率直にもったいないし、意味がわからない」
現在、子どもがいわき市内の中学校に通っているという保護者が、今回の赤飯廃棄について怒りをあらわにする。
3月11日、学校では何が起きていたのか。
「当日の給食が赤飯だと聞いていたのに、先生から『ご飯が届かなかった』と説明があったそうです。クラスメートも残念がっていたと子どもから聞いています。
代わりに、缶に入った非常食のパンを食べたそうです。担任の先生は『缶のパンは美味しくて、期限の切れた非常食の缶パンは先生たちで争奪戦になる』と話していたようです」
この保護者は、当日学校から生徒に配布されたというプリントを見せてくれた。
「学校給食献立の一部変更について」と題するその用紙には、「本日の給食で赤飯を提供する予定としておりましたが、東日本大震災の発生当日に追悼の意を表すべきであることを踏まえ、献立を変更させていただきました。
なお、後日、代替品を提供させていただきますので、ご理解いただきますようお願いいたします」とあり、連絡先として学校給食共同調理場の名前を電話番号が記されている。
しかし、その後の対応について保護者は不信感を募らせている。
「その後、学校からは今のところ何もありません。プリントにあった代替品はまだ提供されていません。
率直にもったいないし、意味がわからない。
今回の卒業生は震災の年度に生まれた子たちで、小学校の卒業式もコロナ禍だったので私たちが子どもの頃のようには祝ってもらえていません。『またか』という気持ちでしょう」
さらに、廃棄に伴う費用負担についても強い不満を示す。
「赤飯の廃棄、無駄な非常食の使用、非常食の補充、そして代替品にかかる費用、すべて私たちの税金なのが許せません」
今回の件について市内の中学校に電話で取材を試みたが、いずれも担当者が不在で、事実関係の確認は取れなかった。
2025年に公表されたいじめ重大事案は「発生から2年」が経過していた
赤飯問題だけではない。
いわき市では昨年、市内の中学校でいじめの重大事態にあたる事案が発生していたと公表。
教育委員会に設置した第三者委員会が事実関係の調査を進めているが、発生から公表・第三者委員会の発足まで2年を要していたことが明らかになった。
こうした経緯から、この保護者は市の教育行政全体に対する不信感がぬぐえないと話す。
さらに、日常の学校運営にも課題を感じているという。
「小学校でも、いわき市はコロナ禍以降、市内の学校の間で行事開催に差があり、児童が多い学校では運動会が縮小され、そこまで児童が多くない学校ではお弁当を挟んだ昔ながらの運動会が行なわれています。子どもたちの学校教育でこの差は大きいと思っています」
保護者は取材の中で、「これらの問題を解決したい」という思いを強くにじませていた。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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