≪ラブホトラブル≫所持金47円で宿泊、薬物陽性、逃走時に死亡も…ヤバすぎる令和のラブホ無銭宿泊の実態「そのほとんどが男性…社会の中で孤立している」と経営者の嘆き
≪ラブホトラブル≫所持金47円で宿泊、薬物陽性、逃走時に死亡も…ヤバすぎる令和のラブホ無銭宿泊の実態「そのほとんどが男性…社会の中で孤立している」と経営者の嘆き

今年3月、新潟県南魚沼市のラブホテルに1人で泊まり、室内の飲料やスナック菓子などを飲食し金を払わず立ち去った男(50歳、無職)が詐欺の疑いで逮捕された。男はチェックアウト時にコンビニのATMでお金をおろしてから戻る旨を従業員に伝えた後に行方をくらましていたようだ。

このようなラブホでの無銭飲食は実は珍しいことではない。ラブホ経営者たちに被害状況を聞いた。

知られざる「ラブホ無銭飲食」の実態…10万円以上の損害が出るケースも

ラブホ無銭飲食の実態を調べると意外に多いことがわかる。

今年1月にも北海道札幌市内のラブホに約22時間滞在した後に「お金がない」ことを従業員に打ち明け、駆けつけた警察官によって住所不定の男(42歳、アルバイト)が現行犯逮捕された。男の所持金は47円だった。

2月にも静岡県静岡市で室内の飲料やハッシュドポテトなどを注文し宿泊代2万1000円を支払わなかった住所不定の男(42歳、無職)が詐欺容疑で現行犯逮捕されている。

都内のある弁護士によれば「無銭飲食は“現金を持ち合わせず支払い能力がないのに宿泊したり飲食したりすることが、詐欺罪の構成要件である『人を欺いて財物を交付させる』ことに値するため、詐欺罪が成立する」のだと言う。

都内近郊のラブホテル経営者は「報道されていないだけで無銭飲食なんて日常茶飯事ですよ」と呆れ顔で言う。昨今起きた特にひどいケースはこのような事案だ。

「ラブホには基本的に連泊という概念がないホテルが多いため、22時間から24時間で一度精算する仕組みになっています。22時間経った時点で何の連絡もないお客様にはコールを鳴らして精算していただきます。

ですが、そのお客様からは『なんで支払わねーといけねえんだ!』とキレ散らかされまして。従業員2名でお部屋に伺うとギャーギャー喚いて『宇宙人が来た!』などとおかしなことを言うのです。

こうなると通報するしかありません。駆けつけた警察官がその場で尿検査をしたら薬物の陽性反応が出ました……。そのまま連行されてしまい、そのお客様からのお代金はいただくことができませんでした」

その迷惑客はカレーやデザートなど5000円相当の食事をしており、宿泊代も合わせ2万円弱の損失となった。そればかりか室内のソファに糞尿が撒き散らされ、清掃のため数日間使えない事態に。

こうなると損害は「1室につき休憩と宿泊客合わせて少なくても20組以上は入りますから5万から10万円」だと言う。

「お客様にコードネームをつけて従業員に周知してる場合もあります」

また、この経営者によれば「『金がない』と言う人に限って、なぜか食べ物をたらふく注文する傾向にある」のだと言うから不思議だ。

このような無銭飲食をする者たちは一体どんな年代なのか。

「だいたい単体(単身)の男性が多いのですが、30代から50代まで様々ですね。女性の単体客で無銭飲食する人はまずいない。22時間たったタイミングでコールを鳴らす前に窓から逃走する人もいます。

『お金がない』と白状した場合は通報しますが、『家に取りに行く』と言って本当に持ってくる人もいますし、代わりに身内が払いに来るケースもあります。

払うと言われたら通報はできませんので、そのまま逃げられてしまうことさえあります」

男性の単体客には警戒が必要かと言ったら、そういうわけでもないようだ。

「出張中にビジホ(ビジネスホテル)がわりに宿泊される方もいますし、もちろんデリヘルを呼ぶ方もいますから、単体男性客すべてが怪しいわけではありません。

ただし、過度なクレーマーについては、要注意人物として従業員に『この番号から予約が来たら断れ』と周知したり、会員データに『マリファナおじさん』とか『風邪薬おじさん』などとコードネームをつけて周知してる場合もあります。

マリファナおじさんは、この人が来ると室内がものすごく(独特な)煙臭くて大変だから要注意とか、風邪薬おじさんは毎回『風邪薬をください』などとタダで風邪薬をねだるおじさんです…」

「近年は未払い防止のため入室時の前払いを導入しているラブホテルも増えています」

都内繁華街のラブホテル経営者にも話を聞くと「お金がないと言う人には誓約書を書かせる」ようだ。

「我々も通報して騒ぎを大きくしたくありませんので、『お金がない』と言う人にはとりあえず有り金を出してもらいます。

その上で必ず返してもらうために身分証明書などをコピーさせていただいた上で誓約書を書いてもらいます。こうしたことをしても期日までに払わない方や逃げ切ろうとする方もいます」

ラブホテル評論家の日向琴子氏も「入室時の前払いを徹底すれば防げるのでは」と言う。

「ラブホテルでの無銭飲食トラブルの話はよく聞きます。都内近郊のホテルの経営者さんから聞いた話では、無銭飲食して2階の部屋から逃走を図り、誤って転落して亡くなった男性もいるそうです。

男性単体の客以外にもカップルで来てお金がないと言うケースもあるのだとか。

やはりラブホは宿泊や休憩でも住所を書いたりすることもありませんから、犯罪が発生しやすい場でもあります。

近年は未払い防止のため入室時の前払いを導入しているラブホテルも増えていますので、これを徹底するともう少し防げるかもしれません」

前出の経営者は嘆く。

「無銭飲食する中年男性のほとんどは社会の中で孤立しているような方が多いようにも思いますが…どうか無銭飲食だけは勘弁してほしいです」

ラブホ経営者の悲痛な叫びは彼らに届くだろうか。

取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班

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