千葉県のゴルフ場に現れたのは、世界に1台しかないロールス・ロイスに乗った前澤友作。そのコースは会員もいない、本人専用のプライベート空間だった。
営業しておらず、会員もいないプライベートゴルフ場
3月8日、日曜日の午前9時。千葉県、睦沢町のゴルフ場に深い緑色の「ロールス・ロイス」が到着した。運転手がドアを開けると、降り立ったのは実業家の前澤友作さん。
車はロールス・ロイス・モーター・カーズとエルメスが共同で製作した「ロールス・ロイス ファントム・オリベ」。前澤さんの注文によって造られた、世界に1台しかない車だ。
その後部座席からは前澤さんの愛犬、イングリッシュ・コッカー・スパニエルの利休も元気に飛び出してきた。
前澤さんは、2022年にこのゴルフ場を購入。「MZ GOLF CLUB」と名付けたが、ゴルフ場は営業しておらず、会員もいない。前澤さんがプレーするためだけのプライベートコースで、週に1~2回ほど練習している。ベストスコアは69と、プロ並みの腕前だ。
この日、前澤さんは、プライベートでプレーする様子の番組収録を初めて受け入れた。
当日は快晴だが強風が吹きつけ、プレーには厳しいコンディションとなった。前澤さんは、基本的にコーチなどを伴って一人でプレーするため、1ラウンドをわずか80分ほどで回るそうだ。
豪華なプライベートコースを所有していても、“付き合いゴルフ”には関心がない。この日もコーチ陣と、愛犬の利休が同伴するいつものスタイルでプレーを始めた。
1ホール目は「パー5」。強風の中、3打目を見事にグリーンに乗せた。そのままパットも沈めてバーディー。前澤さんは「朝イチのバーディーは“おはようバーディー”って言うんですよ」と、満面の笑みを浮かべた。
番組の質問が始まる。まずは前澤さんの新事業、「カブアンド」について。「カブアンド」は、電気やガス、クレジットカードなど、カブアンドが提供するサービスを使った分だけ、「株引換券」がもらえる。
(※カブアンド種類株式の申し込み・投資の検討は (株)カブ&ピースが作成する目論見書を同社のウェブサイトよりダウンロードして必ずご覧いただき ご自身の判断で行ってください)
「ZOZOの時は実現できなかったが、今回は実現します」
前澤さんは「国民総株主」という理念を掲げ、株主を増やすために、この事業を始めたと言うが、そのようなアイデアを思いついたきっかけについて質問した。
――なぜ「カブアンド」のような、突拍子もないアイデアを思いついたのか?
僕からすると「突拍子もないアイデア」ではなくて、当たり前のこと。「カブアンド」では、弊社の電気やガスなどサービスを利用してくださる消費者の皆さんが、会社の株も所有する。自分が消費者として、会社の利益に貢献しているわけですから、株主になって会社の利益の一部を受け取る。
「配当」だったり、「株のキャピタルゲイン」だったり、いろいろなケースがあると思いますが、それはすごく当たり前のことであり、むしろなぜ今まで、このような仕組みがなかったのかが不思議。
――これは、前澤さんが、これまでずっと考えてきたことに近い?
そうですね。「資本主義とはなんぞや」と考えてきた。ZOZOを上場させる時も、そういうことを考えていた。ZOZOの時は実現できなかったが、今回は実現します。
――カブアンドは、この先うまくいきそうか?
もちろん、いろいろ準備もしていますし、僕らは「国民総株主」と言っているぐらいなので、もっともっと株主を増やしていきたい。今はNTTさんが、日本で一番株主数の多い会社ですけど、それを早く超えて、まずは日本で一番株主が多い会社になって、「国民総株主」に近づきたいです。
もちろん、いろいろ準備もしてますし、もっともっと株主を増やしていきたい。
――その先にどんな世界を見すえているのか?
資本主義社会なので、やっぱり資本を持つことの大切さを皆さんに理解してもらいたい。皆さんは生活者として必ず、いろいろな企業の商品やサービスを利用するわけですから、その商品を提供する会社の利益に貢献している。
だからみんなが、利用している会社の株式を積極的に持ち、経済に積極的に参加するような国になると、すごくいいなと思う。日本人がみんな株主で、株主として所有する会社を通じて日本の経済を動かしていく。
私たちが政治家に1票を入れるように、自分の好きな会社の株を持って「1票入れる」ような、そういう社会になると、もっと経済も成長するのかなと思っている。
もし生まれ変わるとしたら、お金持ちか、それとも…
会社のサービスの利用者に会社の利益をシェアして、利用者と共に成長していくことが、前澤さんがZOZO時代から描く理想だ。
前澤さんの経営者としてのスタートは、「好きな音楽をシェアする」ことだった。大学には進学せず、20代前半はバンド活動に明け暮れていた前澤さんだったが、バンド活動の傍らで海外から輸入したCDやレコードの販売を始めた。
「好きな音楽をシェアしたい」という思いから、ライブ会場などで販売を始めたものの、その事業が成長し、1998年には「有限会社スタート・トゥデイ」を設立した。2000年にはオンラインショップに移行し、アパレル通販「ZOZOTOWN」へとつながっていく。
そのZOZOが上場する際に、会社を応援してきてくれた顧客に株を配れなかったことを前澤さんは後悔していて、その経験が「カブアンド」のサービスを思いついた背景にある。
「成長のシェア」が事業の目的だと言い切る前澤さんだが、自身が日本有数の「お金持ち」になったことについては、どう考えているのか? 質問が続く。
――お金持ちになって、変わったことと、変わらなかったことは?
僕自身は変わっていないけど、周りは変わりました。今も僕の近くにいる仲間たちは、お金より大事なものを持っている人たち。やりたいこと、チャレンジ、夢がある。そういう仲間とは対等に話せるけど、やっぱりお金にとらわれている人や、「お金、お金」という人たちとは話が合わなくなってくる。
自分にお金がなかった頃には、そんなことを感じることもなかったけど、僕のお金目当てに近づいてくる人や、「お金、お金」の話ばかりになってしまう人がいる。それで友達ではなくなってしまった人や、離れていった人はいる。
僕が変わったわけではないけど、勝手に僕がお金持ちになったせいで、周りの目が変わってしまったと感じることはあった。
一方で僕自身は、中学生、高校生ぐらいから好きなことに集中して、こだわってやってきた。時には物を集めたり、好きな商売をしたりということを続けてきて、今もやっているだけなので、自分自身が変わった気はあまりしない。
――前澤さんがもし生まれ変わるとしたら、お金持ちか、お金持ちではないか、どちらがいい?
そうですね。
――前澤さんの事業は、どんなものでも「反骨心」と、「仲間づくり」が共通している。
そうです。大事にしています。みんなでやりたい。自分ばかり儲けるのは面白くないので、やっぱりみんなで儲けて、みんなでその果実を分け合って。「みんなで笑顔」というのが生きている意味かなと。
――50歳になって変化はあるか?
あんまりないですね。
前澤さんのチャレンジはまだ当分、終わることはなさそうだ。
構成/集英社オンライン編集部
【番組名】 日経スペシャル ガイアの夜明け Beyond The Story
【放送日時】 3月28日(土)午前11時3分~11時30分 テレビ東京で放送
【配信】 放送未公開部分を含む前澤友作さんの「Beyond The Story」オリジナル版や、「ガイアの夜明け」の過去放送回まで 動画配信サービス「テレ東 BIZ」なら見放題!
テレ東 BIZ:https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/gaia

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