地方で夢だったカフェを開いた女性が、たった一人の“常連客”によって追い詰められていく――。そんな相談がSNSで注目を集めている。
600円で4~5時間カフェに居座るおじさん
発端となったのは、SNSに投稿された地方でカフェを営む女性の相談だ。お金を貯め、ローンを組み、念願だった店をようやくオープンした。だが、あるおじさん客が店に入り浸るようになってから、店の空気が変わってしまったという。
そのおじさんは、コーヒー1杯600円で4~5時間滞在する。問題は、長居することだけではない。女性店主がずっと話し相手をしていないと不機嫌になるのだという。
さらに厄介なのは、このおじさんとずっと話しているせいか、初めて来た客が「常連しか入れない雰囲気」だと誤解してしまい、入店をためらっている気配もあることだ。
そこで店側は「2時間までの滞在でお願いします」という張り紙もした。だが、意味はなかった。おじさんからは「他にお客さんいないんだからいいでしょ」「俺しか客がいないから来てあげてる」といった言葉まで投げかけられた。
店主はローンも抱えており、簡単に移転もできない……という悲鳴にも似た相談だ。
この相談が注目を集めたのは、単なる“気の毒な一例”ではなく、女性が一人で、あるいは少人数で切り盛りする店では、似たような被害が繰り返されていることが可視化されたからだ。
実際、リプライ欄などには、よく似た体験談が次々と寄せられていた。
カフェだけではなく個人店の居酒屋でも、百貨店の化粧品店でも同じようなおじさんが全国で出没しているそうだ。
中には「女子が田舎にカフェ開くと1000.0000%の確率でこれになって潰れるんだよな 一つの例外なく、全て、必ず、これがおきる」(原文ママ)とまで断言する人もいた。
なぜこうしたおじさんが現れるのか。その一つに、おじさん側にとって、数百円でガールズバー並みに若い女性としゃべれる空間になってしまっているのではないか、という見方がある。かなり乱暴な言い方ではあるが、実際に寄せられた体験談を見ていると、そう言いたくなる気持ちもわからなくはない。
テイクアウト専門店でも入り浸りおじさんは出没
さらに具体的な体験談を明かしたのが、過去にカフェ雑貨店を経営していた女性だ。
この女性は、もともとそういったリスクをある程度想定していたという。場所が田舎で高齢者も多い地域だったため、長居されないよう、あえてテイクアウト専門にするなど対策を取っていた。それでも被害に遭った。
「社用車で店前に路駐して毎日来ては、飲み物1杯で1時間ほど店内で立ったまま話す男性がいました。口数少なくて気まずい空気になるのに、そのまま突っ立っているから私が話を合わせて話題を提供する感じ。『都内出身でこの辺り分からないから休みの日に案内してもらえたりしませんか?』とLINEを聞かれました」
LINEはなんとなくはぐらかして、教えることはなかったという。
さらにもう一人、別の地元男性も毎日のように来るようになったという。こちらは何も買わず、店内の商品を触りながら、自分の話ばかりするタイプだった。話の内容以前に、店に居続けること自体が大きな負担になっていった。
その結果、「こいつらが毎日来るせいであまりにも嫌過ぎて来そうな時間帯は一時的に店閉めるようになってしまって本当に最悪だった」と明かしている。
本来なら営業して売上を立てたい時間帯に、あえて店を閉めるしかない。毎日来てくれていた常連の女性客に申し訳ないと思いながらも、そうしなければ心がもたなかったのだ。
では、どうやってその状況を抜け出したのか。
この女性は、「男友達に頼んで店に来てもらい、一緒にカウンター内に何度かいてもらった」という。すると、狭い店内で自分の隣に男性がいる光景に、相手は居心地が悪くなったのか、早く帰るようになり、やがて来なくなったという。
実際、今回寄せられた数多くの体験談でも、「男性が店内にいると寄り付かなくなった」「男性店員を入れたら来なくなった」といった声はかなり多かった。
入り浸りおじさんへの対処法は
対策法を考える意見として、「はっきり迷惑だと言うべき」「時間制限を徹底するべき」「出禁にするべき」といった声も多い。もちろん、それができれば一番早い。だが、女性だけで回している店で、客に対してそこまで強く言える人ばかりではないだろう。しかも、言って素直に引き下がるような相手なら、そもそもここまで相手を困らせていないはずだ。
また、非常にメルヘンチックで、いかにも女性向けに振り切った雰囲気のカフェがあるが、あれも単なる店主の趣味だけではなく、こういったおじさんを避けるために、あえて女性しか入りづらい空気を作っているという。
とはいえ、地方の個人カフェでわざわざ男性バイトを雇うのはコストがかかるし、せっかく自分好みの店を作りたいのに、“おじさん避け”を前提にデザインしなければならないのも理不尽な話だ。
数百円払っているからといって、相手の時間も空間も独占していいわけではない。だが現実には、その“数百円”で若い女性店主との会話や接客を買ったつもりになってしまう客はいる。そして、そのせいで店の空気が悪くなり、本来来るはずだった別の客の足が遠のき、店主本人が心身をすり減らしていく。
全国の入り浸りおじさんには、自分の行動が若い女性の夢を潰していることを、自覚してほしいところだ。
取材・文/集英社オンライン編集部

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