3月27日、今年のプロ野球が開幕した。2025年度のセ・パ両リーグ公式戦の入場者数は2704万人で、2005年以降で過去最多を更新した。
野球のファン人口そのものが減少していると言われている。にもかかわらず、集客に成功している要因の一つが「推し活」だ。ライトファンをいかにして“沼らせる”か。野球のマーケティング戦略は、マスから推しへと変化している。
“コンビ推し”で野球の奥深さへとファンを落とし込む横浜DeNAベイスターズ
かつてプロ野球は一般大衆にとって数少ない娯楽の一つだった。
シーズン中は巨人戦のナイター中継がキー局ゴールデンタイムの定番で、1994年10月8日の中日―巨人戦、通称「10.8決戦」はプロ野球中継の視聴率として歴代最高の48.8%(関東地区)を記録している。
しかし、視聴率が落ちてくるとキー局での中継が激減。ローカル局やDAZNなどのスポーツ専門チャンネルでの配信へと中継の場が移っていった。プロ野球は大衆娯楽から、地元民やコアなファンが楽しむコンテンツへと変化したのだ。
三菱 UFJリサーチ&コンサルティングと国内最大級のネットリサーチ会社・マクロミルによる「2025 年スポーツマーケティング基礎調査」によると、2025年のプロ野球のファン人口は2218万人で、前年比0.4%増と横ばい。この年は観客動員数は2005年以来過去最高だが、ファン人口は2017年比で22%も減少しているのだ。
つまりプロ野球のマーケティングにおいては、ファン一人が球場に足を運ぶ頻度を上げ、グッズや飲食の購入単価をいかに引き上げるかが勝敗を分ける時代に入った。
推し活のポイントは“沼らせる”ことだ。ライト層に野球の奥深さを知ってもらい、抜け出せなくなる仕組みが重要なのだ。
例えば、横浜DeNAベイスターズは、ファン投票で人気のあるコンビにインタビューをする「みんなの推しコンビトーク」をファン向けに配信している。女性は特に仲間やライバル、先輩後輩などの人間関係を楽しむ傾向が強い。選手単体の魅力を紹介する球団は多いが、関係性にまで踏み込むケースは少ない。こうした沼らせるための仕掛けは重要なコンテンツだ。
ベイスターズは2025年のリーグ優勝を逃しているが、主要試合における観客動員数は236万人で球団史上最多記録を更新。ディー・エヌ・エーのスポーツ事業における2025年4月~12月の売上高は282億円で、前年同期間比で6%の増加だった。優勝した2024年よりも売上は増えているのだ。
ベイスターズは新スタイルの座席の新設、オリジナルビールの開発など、マーケティングが強い球団だ。その中でも、デジタルを活用したファン育成の仕組みは秀逸である。
選手をアイドル化させるバファローズの狙いは?
推し活要素をふんだんに取り入れているのが、オリックス・バファローズだ。女性ファン向けの「Bsオリ姫デー」は、人気投票で選ばれた各選手が「メガネ男子」などのテーマに沿った特別なビジュアルを公開している。
「カメラ女子チケット」では、普段見ることのできないバッティング練習の様子を撮影でき、練習終わりの選手との2ショット撮影会も実施した。
バファローズは選手のアクリルスタンドを販売しているが、これはアイドルやアニメにおける典型的な推し活グッズだ。「キュンです」「心臓がもたん」などとプリントされたメッセージプリントタオルも、アイドルを推すファンのうちわを彷彿とさせる。
人気のある選手をファッショナブルに売り出したり、特別な2ショット撮影を取り入れたりする仕掛けも、アイドルのマーケティングを参考にしたものだろう。
女性は共感や共有に対する意識が強く、SNSの拡散力が強いと言われている。これは男性の多くが情報を取得するツールとしてSNSを利用しているのとは異なる点だ。つまり、女性をファンに取り込んだ方が、その拡散力によって別のライト層のファンを呼び込みやすい。バファローズはそのスパイラル効果をマーケティングに取り入れているのだろう。
阪神タイガースも女性の取り込みに余念がない。熱狂的なファンである「TORACO(トラコ)」を増やしているのだ。TORACOのInstagramのフォロワー数は5.7万、Xは3.2万にも及んでいる。
阪神タイガースは「TORACO DAY」のチケットに来場女性先着プレゼントをつけているが、その特別感でファン心理を巧みに刺激している。
メリットばかりではない“推し活マーケ”の問題点
しかし、プロ野球の推し活化には危険性も潜んでいる。推しへの愛情が重くなりすぎてしまう点だ。
2024年7月に読売ジャイアンツ所属の選手に対して「死刑にする」などと掲示板に書き込んだ20代の生命保険会社元社員が威力業務妨害容疑で逮捕された。
昨年5月の初公判では、移籍で加入した選手に推しの選手がポジションを奪われてしまい、移籍加入してきた選手への恨みを一方的に募らせていた様子が明らかになった。勤務していた保険会社で撮影した選手の顧客情報とともに、掲示板に殺害予告の投稿をするまでに発展していたという。
プロ野球は試合での実績がすべての厳しい世界だ。当然、運や偶然の要素も絡んでくる。選手がアイドル化したまま不調に陥ってしまうと、熱狂的なファンは外部にその矛先を向けかねない。一方的に恨みを募らせる可能性があるのだ。
プロ野球のファン層の細分化で推し活化が進むのは間違いなさそうだが、ファンとの距離感を上手く図る舵取りが求められる時代になっている。
文/不破聡
労組日本プロ野球選手会をつくった男たち
木村 元彦
初代会長の中畑清、FA制度導入の立役者・岡田彰布、球界再編問題で奮闘した古田敦也、東日本大震災時に開幕延期を訴えた新井貴浩、現会長の曾澤翼など歴代選手会長に聞く、日本プロ野球選手会の存在意義とは。
今から40年前の1985年11月に設立された「労働組合日本プロ野球選手会」。
一見、華やかに見える日本プロ野球の世界だが、かつての選手たちにはまともな権利が与えられておらず、球団側から一方的に「搾取」される状態が続いていた。そうした状況に風穴をあけたのが「労働組合日本プロ野球選手会」であった。大谷翔平選手がメジャーリーグで活躍する背景には、彼自身の圧倒的な才能・努力があるのは言うまでもないが、それを制度面で支えた日本プロ野球選手会の存在も忘れてはならない。
選手たちはいかに団結して、権利を獲得していったのか。当時、日本プロ野球の中心選手として活躍しながら、球界のために奮闘した人物や、それを支えた周りの人々に取材したスポーツ・ノンフィクション。

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