〈池袋・ストーカー殺人〉涙を流しながら元交際相手を刺した廣川容疑者、自衛官に内定し結婚を見据えていた…沖縄時代に優等生だった少年の歪んだ執着と転落人生
〈池袋・ストーカー殺人〉涙を流しながら元交際相手を刺した廣川容疑者、自衛官に内定し結婚を見据えていた…沖縄時代に優等生だった少年の歪んだ執着と転落人生

東京・池袋の「ポケモンセンターメガトウキョー」でアルバイトの春川萌衣さん(21)が殺害された事件。交際相手だった春川さんをナイフでめった刺しにした上で自らも命を絶った廣川大起容疑者(26)の生い立ちが取材で徐々に明らかになってきた。

幼少期を過ごした沖縄では水泳に打ち込み、県内有数の進学校から自衛官を志すなど未来に向けた歩みを進めていた容疑者。ストーカー殺人に手を染めるに至るまでの犯行の経緯を追った。

防犯カメラに残された犯行直前の動き

池袋のランドマークともなっている「池袋サンシャインシティ」にはその日、異様な叫び声が響き渡ったという。

「事件が起きたのは3月26日午後7時すぎ。容疑者は春川さんの勤務先だったポケモンセンターに向かい、レジカウンターにいた春川さんに襲い掛かったとみられています。

その際、大声を出して涙を流しながら犯行に及ぶ様子が周辺にいた目撃者の証言から判明しています。

現場に設置された防犯カメラには、容疑者が春川さんにふるったナイフを自分にも向けていた様子も映っていました。

自分と春川さんをナイフで交互に刺した末に絶命しており、死を意識した廣川容疑者が春川さんを道連れにした可能性があります」(全国紙社会部記者)

複数のメディアによると、事件後の司法解剖の結果、春川さんは首を刺されたことが致命傷になったとみられ、死因は失血死だったとされる。

一方、廣川容疑者の死因も失血死で、容疑者に春川さんへの強い執着と殺意があったことがうかがえる。

「廣川容疑者は襲撃時刻の約30分前にビルに入っていたことも防犯カメラの映像から確認されています。映像には、店舗の外から2回ほど、店舗内をのぞく様子も映っていました。

そして、店と同じ階にあるトイレに入った後、レジにいた春川さんのほうへまっすぐ向かっています。容疑者が入っていたトイレの便器の中には、本人のものとみられるスマートフォンが水没した状態で見つかっています。

死を覚悟した上での犯行だったことが読み取れます」(同)

廣川容疑者は昨年12月、春川さんに執拗な付きまとい行為を行なったなどとしてストーカー規制法違反の容疑で逮捕されている。

今年1月には銃刀法違反で追送検、性的姿態撮影等処罰法違反容疑で再逮捕され、春川さんへの接近禁止命令が出たほか、罰金80万円の略式命令も受けていたという。

水泳に打ち込んだ廣川容疑者の少年時代とその後

交際相手に対してゆがんだ執着心を抱き、ついには殺害にまで至った容疑者は、その心中でどのように狂気を育てていったのか。

「廣川くんは、スポーツマンだし勉強もできる『でぃきやー(沖縄方言で『優秀な人』の意)』だと思っていたので事件はショックだった」と振り返るのは、容疑者の高校時代を知る沖縄の地元関係者だ。

同関係者が証言するように、廣川容疑者は、県中部で進学校として知られるF高校の出身。学校内での評価も悪くなかったようで、沖縄県外の有名私大や国立大への進学を目指す「特進クラス」に通っていたという。

「小さいころから水泳部に通って大会にも出場するほどだったと聞いていましたが、高校では短期間ながらバスケ部にも所属してコートで汗を流していました。

そんなに目立つタイプではありませんでしたが、『陰キャ』ってわけでもなかった。卒業した後のことはあまりわかりませんが、少なくとも学校内で特別浮いていたわけでもなかったから、事件のことを聞いても、まさか、という驚きしかないですよ」(地元関係者)

廣川容疑者は両親の離婚を機に、母親らとともに小学生時代に本土から沖縄に移住。本島中部の沖縄市で育ち、幼少期には水泳に打ち込んで全国大会に出場するほどの実力だった。

高校卒業後は関東に拠点を移したが、犯行に至るまではアルバイトを転々とする生活を送っていた。

「どうやら大学受験に失敗してしまったようで、卒業後は高校時代の同級生らとも疎遠になってしまっていたようです。沖縄で飲食店のアルバイトなどもしていたようですが、周囲も気づかぬ間に沖縄から内地(本土)に越してしまっていました」(同)

「自衛官」「結婚」見据えていた未来をなぜ捨てたのか

廣川容疑者と春川さんとは八王子市内のファストフードチェーンでアルバイトしている際に知り合ったとされる。

春川さんとの交際は同居する母親にも報告しており、容疑者が春川さんとの結婚を意識していたという報道もある。

文春オンラインは1日、容疑者が今春、海上自衛隊への入隊が内定しており、進路を決めた背景に「被害者の彼女との結婚」が視野にあった、とする容疑者の母親の関係者の証言を報じた。

「廣川くんのお母さんは旦那さんのDV(ドメスティックバイオレンス)がひどかったために離婚し、廣川くんとそのきょうだいを連れて逃げるように沖縄に移住したと母親は話していました。

その際には弁護士からの支援があったそうですから、離婚に当たってかなり揉めたのでしょうね。沖縄で生活の基盤を築いてからお祖母さんも呼び寄せて、しばらく一緒に暮らしていたようです」(廣川容疑者家族を知る沖縄の地元関係者)

苦労した母親の姿を見ていたはずの容疑者だったが、自身の行動を顧みることのないまま、春川さんに一方的な暴力を向け、取返しのつかない結果を招いてしまった形だ。

高校時代に経験した挫折を経て、「自衛官」「彼女との結婚」という新たな目標を見つけ、将来への希望を見出していたようにも映る容疑者。交際のもつれからストーカー化していく中で未来への展望を失い、凶行に走ったのか――。その真意を知るすべはない。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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