「2羽のカラスに襲われている」東京ディズニーシーでラプンツェルに起きた衝撃ハプニング…消えたプリンセス、運営は「本日4月2日も塔の中に隠れたままの状態となります」
「2羽のカラスに襲われている」東京ディズニーシーでラプンツェルに起きた衝撃ハプニング…消えたプリンセス、運営は「本日4月2日も塔の中に隠れたままの状態となります」

それは4月1日のエイプリルフールに起きた“珍事件”だった。SNSにはさまざまなウソがあふれ、例年荒れる日でもあるが、東京ディズニーシーを訪れた客が投稿した『塔の上のラプンツェル』についてのある映像がAIによる「ウソ」ではないかと話題になった。

その映像には、塔から身を乗り出して歌を歌うラプンツェルの髪がカラスにむしられている様子が生々しく記録されていたのだ。真相を運営元である株式会社オリエンタルランドに確認した。

人気アトラクションで前代未聞のハプニング

4月1日昼過ぎ、ディズニーのファンによる、ある投稿が注目された。

その投稿には『「ランタンフェスティバル」のラプンツェル、カラスに髪の毛食べられてるんだが!』というコメントとともに、カラス2匹がラプンツェルの頭部にとまって無惨にも髪をむしる映像がつけられていた。

その動画を投稿した「みちゃん」さんに当日の様子を聞いた。

「私がアトラクションの乗り場に着いたのは午前10時頃でした。乗った瞬間から2羽のカラスに襲われている状態でした。1周4分くらいのアトラクションですが、ちょうど1周したくらいで2羽が飛び立つ姿が見られました」

「みちゃん」さんは子どもの頃に東京ディズニーランドに行ってから30年来のファンだ。その日は母親と2人で訪れていたという。

「幼少期から働きたいと思うほどに大好きな場所で、実際、かつてディズニーシーで2年ほど働いていた経験もあります。

これまで数えきれないくらいディズニーに来ていますが、このようなアクシデントは初めての経験でした」

「みちゃん」さんにとってこのラプンツェルは大好きなアトラクションのうちのひとつなのだそう。

「ラプンツェルの『ランタンフェスティバル』は映画を忠実に再現しており、何度乗っても乗るたびに感動する素敵なアトラクションです。

襲われているのを見た後の、お昼12時頃には先ほどまで塔の窓から身を乗り出し歌っていたラプンツェルの姿がなくなり、お出かけ中なのかなって思っていました。

夜になって再び戻ってみてもラプンツェルは帰っていなくて、私たちが帰る時間までついにその姿は見られませんでした。

いつも美しい『自由への扉』の歌声を聴かせてくれていたから、早く元に戻って歌声を聴かせてほしいです」

ラプンツェルだけじゃない…過去にも起きていた異変

株式会社オリエンタルランドの広報担当にも話を聞いた。

「4月1日10時半頃に現場の者が気づき、10分ほどアトラクションを停止しました。その後、ラプンツェルは塔の中に隠れてしまいました。本日4月2日も隠れたままの状態となります」

隠れたラプンツェルの状態について詳細を聞くと「どういう作業をしているかは公表していない」とのことだった。

このようにラプンツェルが隠れることはこれまでもあったのだろうか。

「ラプンツェルが過去に姿を隠したことはあります。しかし今回のような鳥らしきものによるものかどうか詳細はお答えしておりません」

過去には同じ『ランタンフェスティバル』の中にいる警護隊長の馬・マキシマスの尻尾の毛をむしるカラスを目撃した女性もいた。時期は去年4月5日で同じ時期である。

その女性にも話を聞いた。

「子どもの誕生日記念で訪れたんですが、マキシマスの上に2匹のカラスが乗ってて、1匹は尻尾をむしっていたんです。

そのカラスも置物で演出のひとつなのかなって思って見てたら、よく見ると本物で驚きました。その後、マキシマスが姿を消すことはありませんでしたが、あれは驚きました」

このようなカラスの襲撃について株式会社オリエンタルランドはどのように対応するのか聞いたところ、「鳥などの個別の対応についてはお答えしていない」とのことだった。

パンダの毛も被害に…カラスが好む“意外な素材”

カラス研究歴18年でカラス対策専門企業「株式会社CrowLab代表」の塚原直樹氏に今回の件について話を聞くと「動画のカラスはおそらくペアのカラスですね。一緒に巣材を探していて、たまたま都合が良いものを見つけたので、一緒に運んでいるところかと思います」と言う。

カラスは一般的に賢いとも言われている。ラプンツェルやマキシマスの毛をむしることは周辺のカラスにとって共通認識なのだろうか。

「カラスの繁殖は一夫一妻と言われています。記憶力が非常に高いので、適した巣材があった場所を覚えていると思います。

コミュニケーションについてですが、ヒトが行なう会話ほどの複雑な内容を鳴き声だけで意思疎通していることは考えにくいです。しかし鳴き声で呼び寄せて、状況を目視させた上で意図を伝えるということはあると思います」

また、ラプンツェルの髪もマキシマスの毛も同じ4月という時期にむしられているのはなぜなのか。

「地域や個体にもよりますが、カラスの巣作りは2月から4月くらいに行なわれるので、巣作りのための素材を探す時期と重なります。

おそらくラプンツェルの髪やマキシマスの毛は巣の内側の卵を産み落とす場所に使うのでしょう。内側は綿や動物の毛など柔らかいもので作られますから。

これまで家畜やペット、動物園の動物の毛などが引き抜かれるところが目撃されています。

かつて、上野動物園のパンダの毛が引き抜かれたのが話題になったこともありましたよ」

なんとパンダの毛が引き抜かれてしまったとは、可哀想だ。また、巣の外側に使われやすい意外なアイテムがあるという。

「外側は巣をしっかり形作るため木の枝などが用いられますが、その他でよく目撃されるのが、針金のハンガーです。

引っかかりやすかったり、形を曲げたりするなど加工しやすいという点で好まれるようです。ただ、曲げられないプラスチックのハンガーなどが使われていることもあります。ベランダの物干しにかかっていて、入手しやすいことがあるかもしれません」

基本的にラプンツェルの髪のように、人間の髪がむしられることはないのだろうか。

「カラスは自分よりも身体の大きなヒトを恐れています。そのため、ヒトに近づいて髪の毛を引き抜くというような行動をすることは考えにくいです」

オリエンタルランドによれば、ラプンツェルは今日も塔の中で過ごしているのだという。再び美しい歌声を聴ける日が来るのが待ち遠しい。

取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班

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