兵庫県の西宮甲山高校野球部では、統合により新入生の募集が停止され、現在は2・3年生の10人のみ。3年生が引退するこの夏が、単独チームとして挑む最後の大会となる。
その輪の中に混じって練習しているのが、清水次郎監督。かつて20年以上にわたって夏の甲子園大会を実況してきた元アナウンサーだ。甲子園を語る声として全国の高校野球ファンに知られた存在が、今は現場で選手たちと汗を流している。
だが、着任当初から順風満帆だったわけではなく理想とのギャップに苦しんでいた時期もあった。
それでもグラウンドには明るい声が響く。少人数ならではの距離の近さと一体感の中、全員が主役として練習に取り組んでいる。
「最後は選手たちと一緒に勝つ喜びを分かち合いたい」。そんな清水監督が涙ながらに語った最後の夏への想いとは。
文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部