100年以上の歴史を持つ箱根駅伝が、2024年1月の第100回記念大会で初めて関東以外の大学に門戸を開いた。関東学生陸上競技連盟は予選会の参加資格を日本学生陸上競技連合の登録者に拡大し、全国11校が挑戦。

しかし関東以外の大学は本大会進出を果たせず、第101回大会以降は再び関東限定の形式に戻った。箱根駅伝の未来への影響が問われている。

100年続く「関東の大会」

箱根駅伝は1920年、金栗四三らが「世界に通用するマラソン選手を育成したい」という思いから創設した。関東学生陸上競技連盟が主催する地方大会として始まり、東京から箱根までの往復217.1キロというコース設定も、関東の地理的特性を活かしたもの。

日本テレビの全国放送により正月の風物詩として人気を獲得し、現在では30%超の視聴率を記録した年もある国民的イベントとなっている。しかし出場資格は依然として関東学連所属の大学に限定。100年以上続く「関東の大学駅伝」という位置づけだ。

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第100回大会の試み

節目の第100回記念大会では、予選会の参加資格が拡大された。2023年10月の予選会には、北海道から札幌学院大、東海から中京大、関西から京都産業大・立命館大など計11校がエントリー。予選会の出走は計665人と史上最多を記録した。

しかし関東以外で最上位だった京都産業大は27位にとどまり、予選会13位通過の大学との差は14分35秒。現時点での競技力の差が浮き彫りとなった。

第100回大会は出場枠を23校に拡大したが、関東以外の大学は本大会進出を果たせなかった。

可能性と課題

全国化が実現すれば、地方の高校生にとって進路選択の幅が広がる。現在は箱根駅伝を目指して全国から有望選手が関東の大学に集中しているが、地元の大学に進学しながら箱根を目指せる道が開ける。

一方で課題も少なくない。全日本大学駅伝との差別化や、参加校増加による運営面での負担増が懸念される。関東学連は「関東の学生競技にできる限り出場枠を提供したい」と説明し、第101回大会(2025年1月2日・3日)以降は従来通り関東限定に戻した。

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箱根駅伝は「関東の大会」でありながら「国民的イベント」という二つの顔を持つ。第100回大会の経験が、箱根駅伝の未来を考える重要な材料となることは間違いない。

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