12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催された「RIZIN 師走の超強者祭り」で、扇久保博正(38)がRIZINフライ級王座決定戦を制した。元谷友貴(36)を3-0の判定で下し、RIZIN WORLD GP 2025フライ級トーナメント優勝と同時に第2代RIZINフライ級王者に輝いた。
【解説】RIZINバンタム級はなぜ混戦なのか 王座が移ろう理由
38歳で掴んだ初のRIZINベルト
3-0。3人のジャッジ全員が扇久保の勝利を支持した。
RIZINフライ級王座決定戦であり、7月から行われてきたRIZIN WORLD GP 2025フライ級トーナメントの決勝でもあるこの一戦。扇久保は持ち前の粘り強さで元谷を圧倒し、文句なしの判定勝ちを収めた。
THE BLACKBELT JAPAN所属の扇久保は、修斗世界2階級制覇、2021年のRIZINバンタム級JAPANグランプリ優勝と輝かしい実績を持つ。しかし、RIZINのベルトだけは手にしていなかった。初代王者の堀口恭司が今年3月に王座を返上したことで実現した今回の王座決定戦。扇久保にとって、これ以上ない舞台だった。
GP優勝賞金2000万円も手にした扇久保。19年のキャリアが結実した瞬間である。
6年ぶりの再戦を制す
2人の因縁は2019年7月28日のRIZIN.17にさかのぼる。
この時も扇久保が勝利を収めたが、判定は2-1の僅差だった。互角の際どい試合。6年の時を経て、再び同じリングに立った2人のベテラン。扇久保38歳、元谷36歳。合わせて74歳の経験値がぶつかり合った。
今回は前回以上に明確な差がついた。扇久保はボディブローで元谷の動きを止め、打撃戦を制する。元谷も粘り強く反撃したが、扇久保の勢いは止まらなかった。試合が進むにつれ、元谷の顔面は流血で赤く染まる。最終ラウンドまで打ち合いは続いたが、軍配は扇久保に上がった。
前回は僅差、今回は完勝。
愛妻へ捧げる感謝のベルト
「皆さん、やっとチャンピオンになれました」
リング上で扇久保は感極まった表情を浮かべた。言葉を続ける。
「今本当に幸せです。言葉にならないぐらい嬉しいです。どん底の時もありました。もうダメなのかなって思った時もありました。そばで一番支えてくれた奥さん、ありがとう。心から愛しています」
試合前のインタビューで、扇久保は「奥さんの腰にベルトを巻きたい」と語っていた。その約束を果たした形だ。格闘家としての強さだけでなく、妻への深い愛情がにじむコメント。長年支えてくれた存在への感謝が、扇久保の勝利をより美しいものにしている。
フライ級を盛り上げる決意
新王者としての抱負も語った。
「フライ級のチャンピオンとして、これからフライ級を盛り上げていきます」
岩手県久慈市出身の扇久保。極真空手をベースに持つ異色のグラップラーは、リングインの際に十字礼を行うことでも知られる。2006年のプロデビューから19年。積み重ねてきた経験すべてが、この日のベルト獲得につながった。
堀口恭司が返上した王座を引き継ぐ重責。だが、扇久保の決意は揺るがない。38歳の新チャンピオンが、RIZINフライ級の新時代を切り開く。
38歳で掴んだ夢、愛する妻への感謝、そして新たなチャンピオンとしての決意。扇久保博正の物語は、ここから新章を迎える。
文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部

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