伝説の終わり、オランダが見送った

「Living Legend(生きる伝説)」——最終種目のスタート前、場内アナウンスがそう告げると、会場からは割れんばかりの歓声が上がった。スピードスケートの高木美帆(31=TOKIOインカラミ)が8日、オランダのヘーレンフェインで行われた世界選手権のオールラウンド部門で総合3位に入り、現役最後の大会を表彰台で締めくくった。

「すごくラッキーなスケート人生だった」と感慨に浸った。

【画像】五輪10メダル・W杯38勝、日本女性史上最多の足跡を刻んだ16年間

1500mで2位、最後まで自らに挑む

前日7日の500mで1位、3000mで7位と総合首位で折り返した高木は、世界記録を持つ本職の1500mで序盤から飛ばすレースを展開。1分53秒48の2位に入り、フィニッシュ後はうなずき右手でガッツポーズも見せた。こだわり続けてきた種目を笑顔で終えた。 最終種目の5000mは6位で逆転を許したものの、表彰台を確保。死力を尽くしたレース後には仰向けに倒れ込む姿もみられた。

菜那さんの国旗、そして最後の一周

レース後、高木はリンクに投げ込まれるギフトをひとつひとつ拾いながら観客の声援に笑顔で応えた。応援に駆けつけた姉・菜那さんから日本国旗を渡されて記念撮影。同じく引退するマルティナ・サブリコバ(チェコ)とともに国旗を掲げてリンクを周回し、「Thank you so much and Good bye」と爽やかな笑顔で世界に別れを告げた。

【画像】スピードスケート・高木美帆が1500mへ 今夜悲願の金メダル目指す

15歳のバンクーバーから16年

スーパー中学生として15歳で2010年バンクーバー大会に初出場。2018年平昌五輪では団体追い抜きで金を含む3メダル、2022年北京五輪では1000mで金メダルを獲得。2月のミラノ・コルティナ五輪でも銅メダル3個を手にした。

夏冬通じて日本女性最多となる五輪通算10個のメダル、W杯日本勢最多の通算38勝——数字だけが語れない16年間を、スケート大国オランダが総立ちで送り出した。

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