2021年、部員はたった3人になった。練習ができず、他校との連合チームで大会に出る日々。

廃部の二文字が頭をよぎっても、下坂充洋監督は諦めなかった。
あれから5年。春夏通じて初の甲子園切符を手にした高知農業高校の物語は、高校野球史に残る奇跡のストーリー。

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野球部は1947年に創部し、4年ほど活動した後で休止となりましたが、1999年に復活。
所在地は高知県南国市。今回のセンバツは21世紀枠で選出され、春夏通じて初の甲子園出場となる。
2025年の秋季高知県大会準々決勝では、明徳義塾に延長タイブレークの末に2-3で敗れたものの、見事8強入りを果たした。
現在の部員は18人。数の上では他の強豪校とは大きな差があるものの、秋の県大会では強豪・明徳義塾を最後まで追い詰める快進撃を見せた。

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高知農業野球部の復活劇は、一人の監督の執念から始まった。高知農業は2019年に就任した下坂充洋監督が「強豪2校に勝てるような県立の星となれるチームをつくりたい」という目標を掲げていた。2021年は新入部員が入らず部員が3人になり、連合チームでの出場も経験したという経緯もあった。


部員不足の底を打った2021年、下坂監督が取ったのは「外に出る」という戦略だった。
学校説明会で農業高校の魅力の発信や野球教室を開催し野球の楽しさを届けていた。こうした地道な取り組みが少しずつ実を結び、2023年夏以降は単独チームでの出場が実現された。

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高知農業の初戦の相手は、日本文理(新潟)。
日本文理は12年ぶり6回目のセンバツ出場を果たした北信越の強豪。
21世紀枠の学校として初戦突破を果たせせるのか、「県立の星」の意地を見せられるか、注目だ。

部員3人からの再出発、地域への野球普及活動、明徳義塾との延長激闘。高知農業野球部が甲子園の切符を手にするまでには、数え切れないほどのドラマがあった。春夏通じて初の聖地で、「県立の星」がどんな野球を見せるか。3月21日、高知農業の初めての甲子園が始まりまる。

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