雪辱を、果たした。3月21日、世界のトップブレイカーが集うブレイキンのワールド・チャンピオンシップ「FUJIFILM instax™ Undisputed」Tokyo World Finalが東京・港区のニューピアホールで開催され、男子ソロでHIRO10こと大能寛飛(21歳)が2024年パリ五輪金メダリストのフィル・ウィザード(カナダ)を破り、初優勝を飾った。

「めちゃくちゃうれしい。めちゃくちゃ疲れた」。大粒の汗をぬぐいながら充実の表情を見せた21歳が、ブレイキン界の頂点に立った。

【画像】HIRO10が初優勝 パリ五輪金メダリストを撃破

パリ五輪金メダリストを倒した初優勝

今大会は2025年から2026年にかけて世界4大陸で行われたUndisputedシリーズの各大会優勝者らが一堂に会し、世界王者を決める頂上決戦だ。世界約40か国・約180名のブレイカーがエントリーし、予選、TOP64、TOP32、TOP16を勝ち抜いた精鋭8名が決勝ラウンドに進んだ。

HIRO10はその頂点に立った。得意の力強いパワームーブで会場を最高潮に盛り上げた21歳は、決勝でパリ五輪金メダリストのフィル・ウィザードとのバトルを制した。優勝が決まった瞬間は吠えて感情を爆発させた。「無意識に自分のゾーンに持って行った。勝ちたいという気持ちが強かった」。並み居る世界の強豪を退け、ついに世界最高峰の大会での頂点をつかんだ。

パリ五輪の涙から世界制覇へ

2024年8月のパリ五輪、HIRO10は男子ブレイキンの日本代表として出場した。

しかし1次リーグで3戦全敗を喫し、予選敗退に終わった。それでも最終戦で繰り出した必殺技「ワンハンドエルボーエアー」の連発が会場を沸かせ、審判への抗議のブーイングが飛び交う伝説的な場面を生み出した。「めちゃくちゃ出し切りました。後悔はないです」と涙をこらえながら語った19歳の姿は、多くの人の心に刻まれた。

あれから約1年半。19歳の涙は21歳の咆哮に変わった。2025年にはUndisputedの南アフリカ・ケープタウン大会でも優勝を飾るなど着実に実績を積み上げてきた。そして石川県出身の21歳が迎えた東京決戦。高校卒業を機にヨーロッパへ渡り、単身での海外武者修行を経て世界のトップに上り詰めた軌跡がここで結実した。

【画像】大坂なおみが2回戦敗退(今大会初戦) 予選からの出場の21歳ギブソンに屈す

東京での初V 次なる目標を語る

今後の目標について問われたHIRO10は「気持ちを燃やし続けていくこと」と力強く語った。最高難度の技「ワンハンドエルボーエアー」を武器に、アクロバティックなパワームーブで観客を魅了し続けてきた若き世界王者が、今後もブレイキン界を引っ張っていく。

東京の舞台で手にした世界の頂点。

HIRO10の第二章が始まった。

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