現役最後の世界選手権で、坂本花織が輝きを放った。

フィギュアスケートの世界選手権が現地3月25日にチェコ・プラハで開幕し、女子ショートプログラム(SP)が行われた。

ミラノ・コルティナ冬季五輪銀メダルの坂本花織(シスメックス)が今季世界最高の79.31点で首位に立った。今大会をもって現役を引退する"3度の世界女王"が、2大会ぶりとなる4度目の世界王座奪還へ好発進を決めた。

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引退ラストSPで完璧演技

最終グループ32番滑走で氷上に登場した坂本は、冒頭の3回転ルッツを力強く着氷。得意のダブルアクセルを流れるように華麗に降ると、後半のフリップ+トウループの連続3回転も難なく降りた。スケート人生の集大成と位置付けた名曲「Time To Say Goodbye」に乗り、完璧なノーミス演技で演技を締めくくった。
演技後、坂本は「ほっとしました」と第一声。「こうやって世界選手権でこんなにたくさんの人に囲まれながら演技できるっていうのは、自分も成長したなと思ったし、すごく感慨深かったです」と語った。12年前に同じチェコでジュニアグランプリデビューを飾った女王が、その地で最後の世界選手権を迎えた。

78.45点、千葉百音が自己ベスト更新

78.45点。千葉百音(木下グループ)が叩き出した数字は、自身の従来の自己ベストを大幅に塗り替えた。五輪と同じショート最終滑走者となった千葉は重圧がかかるなか、冒頭のフリップ+トウループの連続3回転、後半の3回転ルッツなど抜群の安定感を発揮。表情豊かに氷上を舞い、キス・アンド・クライでコーチと手を取り合って喜びを爆発させた。


前回大会3位の経験を積んだ22歳が、首位・坂本との差0.86点に迫る。フリーでの逆転を視野に、勝負はまだ続く。

中井亜美、冒頭ミスを切り替えフリーへ

一方、日本勢の先陣を切ったのは17歳の中井亜美(TOKIOインカラミ)だ。五輪で決めた大技トリプルアクセルはタイミングが合わず2回転半になってしまったが、すぐに気持ちを切り替えてルッツ+トウループの連続3回転、3回転ループを着氷した。結果は69.10点の8位発進。3位・グレン(米国、72.65点)と3点差で、浮上の余地は十分にある。
演技後、中井は「オリンピックメダリストというのは頭には出てくると思うんですけど、フリーでは捨てて、初めての世界選手権を楽しめるように集中していければ」と前を向いた。

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日本勢3人はそろってフリーに進出。坂本の引退、千葉の逆転、中井の反撃——現地27日(日本時間28日未明)、3つの物語が同時に動き出す。

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