第98回選抜高等学校野球大会(センバツ)の決勝が3月31日、12時30分にプレーボールした。近畿勢対決となった智弁学園(奈良)と大阪桐蔭(大阪)の決戦は、7-3で大阪桐蔭が勝利。

2022年以来となる5度目の春王者に輝いた。

前日の予報では、雨での順延も考えられた同試合だが、未明から降り続いた大粒の雨は午前中に止み間を見せ、阪神園芸の懸命なグラウンド整備もあって予定通りの開催にこぎつけた。肌寒さの中、球児もアルプススタンドも熱を帯びた。

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今大会でも雨に見舞われた甲子園

今大会は3月19日に開幕し、13日間の日程で進行した。大会7日目の25日には、第3試合に予定されていた専大松戸(千葉)対九州国際大付(福岡)戦が雨天により中止となり、翌26日の第4試合に順延された。結果的にこの1試合のみの順延で大会日程全体への大きな影響はなかったものの、3月の天候の不安定さを改めて印象づけた。

決勝当日の西宮市は気温こそ20度前後と春本番の陽気だったが、断続的な雨と甲子園名物の浜風が重なり、体感温度はぐっと下がった。スタンドの観客はタオルや上着を羽織りながらの観戦となった。

「菜種梅雨」、3月の雨は宿命

センバツの開催時期である3月中旬から下旬は、気象学的に見てもぐずついた天気になりやすい時期にあたる。冬の間に日本列島を覆っていた高気圧が北へ退き、代わりに南から低気圧が近づくことで、太平洋沿岸に前線が停滞しやすくなる。この「春雨前線」がもたらす長雨は、菜の花が咲く頃に降ることから「菜種梅雨」と呼ばれてきた。

菜種梅雨は梅雨のようにひと月も続くことはなく、数日から長くても1週間ほどで収まるのが一般的だ。しかし3月後半は低気圧と高気圧が交互に通過するため天気が周期的に変わり、加えて寒の戻りで気温が急落する日もある。桜の開花と重なるこの冷え込みが「花冷え」である。

甲子園のスタンドで観戦する人たちにとっても、寒さ対策は欠かせない。

過去のセンバツを振り返っても、雨との闘いは枚挙にいとまがない。2021年の第93回大会では準々決勝までに雨天順延が2日生じ、準決勝と決勝の間に予定されていた休養日が消滅した。1992年の第64回大会では開会式自体が雨で1日延期されている。

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雨もまた、球春の風物詩

古来、日本人は春の雨に多くの名前をつけてきた。花の開花をうながす「催花雨」、草木の芽吹きを助ける「木の芽雨」、そして桜を散らす「花散らしの雨」。雨を厄介者としてではなく、季節を彩る一要素として受け入れてきた感性がそこにはある。

センバツもまた、この移ろいやすい春の空とともに歩んできた大会だ。雨で試合が流れることも、ぬかるんだグラウンドで泥だらけになることも、すべてが球春の記憶として刻まれる。今年もまた、雨雲の合間を縫って白球が舞った13日間だった。

文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部

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