犬の皮膚ケアについて|フケやかゆみの原因から正しいお手入れ方法まで【獣医が解説】
自分の身体を掻く柴犬

フケやかゆみの原因と基本ケアについて

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犬の皮膚トラブルの原因にはさまざまなものがあります。主な原因としては、乾燥やアレルギー、寄生虫、細菌や真菌の感染、または食事やストレスなどの内的要因もあります。軽度なフケやかゆみであれば、自宅でのスキンケアで改善できるケースも多いです。

まずは以下のポイントを見直しましょう。

  • ブラッシング:定期的なブラッシングは、古い角質を落とし、皮膚の血行を促進します
  • バランスの取れた食事:皮膚の健康には栄養も重要です。オメガ3脂肪酸などを含むフードは皮膚の健康を保つのにおすすめです。
  • 室内環境の整備:加湿器を使って空気の乾燥を防ぐのも有効です。

これらの基本的なケアを行っても症状が続く場合は、より積極的な対策が必要です。

犬に適したシャンプーの選び方と使い方

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シャンプー中の犬

フケやかゆみが気になる場合には、シャンプー選びが重要です。ただし、人間用の製品は刺激が強すぎるため、必ず犬専用のシャンプーを使いましょう。

おすすめのシャンプータイプ

  • オートミール配合シャンプー:オートミールには抗炎症保湿抗酸化作用があり、皮膚バリアを整える効果があります。細かく粉砕し、煮出して抽出した「コロイダルオートミール」が含まれている製品は効果が比較的高いとされます。
  • 薬用シャンプー:フケが長引いている場合や皮膚炎が疑われる場合は、サリチル酸、ケトコナゾールなどを含む薬用シャンプーが効果的です。これらの成分は、古い角質を取り除き、炎症を抑え、かゆみを和らげる働きがあります。ただし、使用に関しては獣医師の指導のもとで行いましょう。
  • 保湿成分配合タイプ:アロエベラやビタミンEを含むシャンプーは、敏感肌や乾燥肌の犬に適しています。

正しいシャンプーの使い方

  • 1. ブラッシング後、ぬるま湯で全身を地肌までしっかり濡らす
  • 2. シャンプーを泡立ててから優しく泡でマッサージするように全身に塗布する
  • 3. 洗浄後は十分にすすぎ、シャンプー成分が残らないようにする
  • 4. タオルで優しく水分を拭き取り、ドライヤーで完全に乾かす

薬用シャンプーは使用開始すぐは週に1~2回を目安に使うことが多いですが、使用前には必ず獣医師に相談し、適切な製品と頻度を確認しましょう。

シャンプー以外のスキンケアと受診の目安

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スキンケア用品のイメージ

毎回シャンプーするのが難しい犬や、局所的な症状がある場合には、シャンプー以外のスキンケア製品の活用がおすすめです。

代表的なケア方法には以下があります。

  • ムースタイプの保湿剤:皮膚バリアをサポートし、乾燥によるフケを防ぎます。入浴の必要がなく、体全体や特定部位に塗布できます。
  • スポットオン製品(例:Dermoscent®など):乾燥や細菌感染の予防に役立ちます。背中に数滴たらすだけで全身に広がります。
  • スプレータイプの痒み止め:急性の皮膚炎などに対し、かゆみを和らげる効果があります。

受診が必要なサイン

以下の症状が見られる場合は、ホームケアだけで改善しない可能性が高いため、早めに動物病院を受診しましょう。

  • 皮膚が赤くただれている
  • においが強く、膿が出ている
  • 強くかきむしっている
  • 毛が抜けて皮膚が見えている

場合によっては、抗菌薬や抗真菌薬、さらにはステロイド、アポキル®、サイトポイント®、ゼンレリア®などの内服あるいは注射による治療が必要になることもあります。

まとめ

犬の皮膚ケアについて|フケやかゆみの原因から正しいお手入れ方法まで【獣医が解説】
飼い主に撫でられる犬

愛犬の皮膚トラブルは、早めのケアと適切な製品選びで予防・改善できます。軽いフケやかゆみなら自宅でのスキンケアでも対応可能ですが、重症化する前に獣医師の診察を受けることが大切です。

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