犬の『失禁』を引き起こす5つの原因 注意すべき病気の可能性も?日常で取り組める改善策まで
犬とラグのシミ

犬の失禁を引き起こす原因

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犬の失禁とは、排尿を上手くコントロールすることができなくなり、おしっこが漏れてしまう状態のことを言います。

犬の失禁を引き起こす原因は様々ですが、病気を患っているサインである可能性もあるため、単なるお漏らしとして見過ごしてはなりません。

1.加齢によって筋力が低下したこと

加齢による筋力の低下が、犬の失禁の原因になることがあります。

尿道括約筋は尿をとどめる役割を持ち、開閉することで排尿が行われます。

加齢で閉まりづらくなると尿を保持できず、失禁につながるのです。

とくにメス犬は、尿道括約筋の筋力が低下しやすいとされています。リラックスしてくつろいでいるとき、眠っている間など、失禁することがあります。

2.避妊手術によってホルモンのバランスが変化したこと

メス犬の場合、避妊手術によってホルモンのバランスが変化したことが、犬の失禁を引き起こす原因となることがあります。

エストロゲンというホルモンの分泌が減少すると、尿道括約筋の機能が低下してしまうことがあり、尿をとどめておくことができず、失禁することがあります。

3.強いストレスを受けたこと

強いストレスを受けたことが、犬の失禁を引き起こす原因となることがあります。

  • 雷の音に怯えているとき
  • 花火の音に怯えているとき
  • 飼い主に厳しく叱りつけられたとき
  • お留守番中の分離不安があるとき

このようなとき、強いストレスを受けたことが原因となり、失禁することがあります。興奮性失禁や服従性失禁と呼ばれています。

動物病院の診察台に乗せられたとき、緊張や恐怖から失禁してしまうのも同じ原因であると言えます。

4.泌尿器系の病気を患っていること

泌尿器系の病気が、犬の失禁の原因になる場合もあります。

  • 膀胱炎
  • 尿路結石

このような病気を患っているとき、失禁することがあります。

病気を患っていることが失禁の原因である場合、失禁以外にも症状が見られることがあります。頻尿、血尿、排尿時の痛み、尿の色やニオイの変化などです。

5.ホルモンや代謝に関連する病気を患っていること

ホルモンや代謝に関連する病気を患っていることが、犬の失禁を引き起こす原因となることがあります。

  • 糖尿病
  • クッシング症候群

これらの病気は多尿を引き起こすことがあり、失禁の原因になりやすいです。

室内で自由に排尿をすることができる犬であれば、「おしっこの回数が増えたな」と感じるようになります。

トイレ以外の場所でも排尿してしまうことがあるため、失禁としてとらえられることもあります。

外に出なければ排尿をすることができない犬であれば、多尿によっておしっこを我慢することができず、室内のあちこちで排尿してしまうため、失禁としてとらえられることがあります。

日常で取り組める改善策

犬の『失禁』を引き起こす5つの原因 注意すべき病気の可能性も?日常で取り組める改善策まで
おむつを履いた犬と女性獣医師

失禁の原因を特定すること

失禁の原因を特定する必要がありますが、飼い主では難しいことかと思いますので、失禁があることを獣医師に相談し、健康診断を受けましょう。

事前の対策をすること

雷や花火の音に対する強いストレスや恐怖心が失禁の原因となる場合には、マナーベルトやマナーパンツを着用させるなどし、漏れてしまうことを防ぎましょう。

泌尿器系の病気を予防すること

犬に多い泌尿器系の病気には、膀胱炎や尿石症や慢性腎臓病があります。とくに中高齢の犬に発症しやすい病気です。

常に新鮮なお水を飲むことができるようにすること、尿のpHを調整するための食事を与えること、低脂質の食事を与えること、排尿を我慢させないことなどによって予防することができます。

また、尿検査や血液検査、レントゲン検査など、定期的な健康診断を受けることも重要です。

まとめ

犬の『失禁』を引き起こす5つの原因 注意すべき病気の可能性も?日常で取り組める改善策まで
マナーパンツを履いた犬のおしり

犬の失禁を引き起こす原因を5つ解説しました。

  • 加齢によって筋力が低下したこと
  • 避妊手術によってホルモンのバランスが変化したこと
  • 強いストレスを受けたこと
  • 泌尿器系の病気を患っていること
  • ホルモンや代謝に関連する病気を患っていること

失禁は病気のサインであり、愛犬が不快感や痛みに耐えている可能性もあります。

愛犬に失禁が見られるときは、「おむつを履かせれば大丈夫だから…」と軽視せず、失禁の原因を特定するため、必ず獣医師に相談しましょう。

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