見逃されがちだけど怖い…「犬の高血圧」とは?日常の行動に潜むヒントをチェック【獣医師が解説】
医療器具と血圧測定のイメージ

犬の高血圧とは?実は珍しくない病気

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犬における「高血圧(全身性高血圧症)」とは、持続的に血圧が高い状態を指します。人間では生活習慣病として有名ですが、犬の場合は多くが「二次性高血圧」です。つまり、ほかの病気が原因となって血圧が上がるケースが多いのです。

具体的には、慢性腎臓病、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、糖尿病、腫瘍性疾患(特に褐色細胞腫など)が高血圧の引き金となります。

一方で、明らかな原因が見つからない「特発性高血圧」も存在し、犬でも複数の報告がなされていますが、初期の腎臓病との区別が難しいのが現状です。

高血圧自体は痛みを伴わないため、飼い主が気づかないまま病気が進行する点が怖いところです。

高血圧のサインは日常の行動に潜む

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床に伏せて休んでいるシニア犬

犬の高血圧は、普段の生活で見られるささいな変化から気づける場合があります。例えば、目に関連するサインは代表的です。高血圧により網膜に障害が起こると、突然の失明、眼の奥の出血、視力低下といった症状が現れることがあります。

また、脳への影響が出ると、けいれん、ふらつき、行動の変化、ぼんやりするなど、いわゆる「認知症」のように見えることもあります。これらは高血圧による脳の血管障害(高血圧性脳症)として知られています。

さらに、腎臓では血圧上昇がタンパク尿を悪化させ、腎臓病の進行を早めます。心臓では心筋の肥大や心雑音が認められることもあります。

飼い主にとっては「急に視力が落ちた」「元気がなくなった」「よくつまずくようになった」といった小さな変化が、実は高血圧のサインかもしれません。

診断と治療の基本「早期発見」がカギ

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獣医師に血圧を測定されている犬

犬の高血圧を診断するには、動物病院での血圧測定が必須です。ただし、病院では緊張や不安から「一時的に高く出る」こともあるため、複数回の測定や落ち着いた環境での計測が重要です。

診断は血圧の値だけでなく、網膜や腎臓、心臓などの臓器障害の有無とあわせて判断されます。

一般的に収縮期血圧が160mmHg以上で持続する場合は治療が推奨されます。

治療の中心は降圧薬で、犬では主にアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)やアンジオテンシン受容体拮抗薬が選択されます。腎臓病やタンパク尿がある場合は特に有効です。重度の場合にはカルシウム拮抗薬(アムロジピン)との併用も行われます。

治療の目的は単に血圧を下げることではなく、腎臓・心臓・眼・脳といった臓器を守ることです。定期的な通院と検査を続けることで、犬の生活の質を大きく保つことができます。

まとめ

見逃されがちだけど怖い…「犬の高血圧」とは?日常の行動に潜むヒントをチェック【獣医師が解説】
聴診器を当てる獣医師と診察台の上の犬

犬の高血圧は気づきにくい病気ですが、失明や腎不全など命に関わる合併症を招きます。

日常の小さな変化を見逃さず、早めに血圧測定と診断を受けることが愛犬を守る第一歩です。

(参考文献:J Vet Intern Med. 2018 Nov;32(6):1803-1822.)

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