スマホでお墓参り、NFTの墓地も。メタバース霊園『風の霊』が...の画像はこちら >>

少子高齢化や核家族化、そしてコロナ禍を経て、日本人の「葬儀」や「供養」のあり方は今、大きな転換期を迎えている。

「遠方に住んでいてなかなかお墓参りに行けない」「高齢で外出が難しい」「自分たちらしい自由な形で故人を偲びたい」。

こうした現代人の切実な悩みに対し、テクノロジーはどのような答えを提示できるのか。その最前線ともいえるサービスが、いよいよ本格始動した。

埼玉県を中心に冠婚葬祭事業を展開するアルファクラブ武蔵野が発表した、メタバース霊園『風の霊(かぜのれい)』の新エリア拡大である。4日(水)に行われたメディア体験会から、テクノロジーが変革する「弔いの文化」の今をレポートする。

スマホでお墓参り、NFTの墓地も。メタバース霊園『風の霊』が拓く“デジタル時代の弔い”最前線

『風の霊』は、パソコンやスマートフォンからアクセスできる仮想空間上の霊園だ。

2024年9月のサービス開始以来、既に約550世帯(2026年2月時点)もの利用者がいるという事実は、現代社会において潜在的なニーズがいかに高かったかを物語っている。

利用者は自分のアバターを操作し、3DCGで構築された美しい霊園内を散策し、故人を供養する。最大の特徴は、デジタルならではの「自由度」と「繋がり」の両立だ。霊園内に設けられた個人スペース「マイルーム」には、故人やペットとの思い出の写真や動画を自由に飾ることができ、訪れた弔問客同士でチャットや音声による会話も可能となっている。

今回のアップデートでは、VRイベントの世界的先駆者であるHIKKYとの共同開発により、さらに没入感の高い、実体験に近い供養の場が拡充された。

スマホでお墓参り、NFTの墓地も。メタバース霊園『風の霊』が拓く“デジタル時代の弔い”最前線

今回のメディア体験会では、実際に記者がメタバース空間に入り、その操作性を確かめる時間が設けられた。

そこで感じたのは、メタバースという言葉の響きから連想される「難しさ」を徹底的に排除した、極めてシンプルなユーザー体験である。

スマホでお墓参り、NFTの墓地も。メタバース霊園『風の霊』が拓く“デジタル時代の弔い”最前線

操作はいたって直感的だ。パソコンの場合、キーボードの「W」キーで前進、「S」キーで後退、「A」「D」で左右への移動が可能である。

また「Q」や「E」キーで視点を動かしながら、広大な霊園をストレスなく歩き回ることができる。ゲームに不慣れな世代でも、数分の操作でコツを掴めるはずだ。

スマホでお墓参り、NFTの墓地も。メタバース霊園『風の霊』が拓く“デジタル時代の弔い”最前線

新たに追加されたイベントスペース「風ノ間」は、実際の葬儀会館とメタバース空間をリアルタイムで繋ぐ野心的な試みだ。

空間上部には2つのウィンドウが表示され、実際の葬儀のLIVE映像を視聴しながら、メタバース上で参列できる仕組みとなっている。特筆すべきは、アバターを通じた「所作」の再現だ。祭壇の前で焼香をあげたり、献花を行ったりすることができ、献花によって祭壇の花が増えていくなど、実際の葬儀に近い体験が提供される。

スマホでお墓参り、NFTの墓地も。メタバース霊園『風の霊』が拓く“デジタル時代の弔い”最前線

「家族葬なので参列を遠慮したが、最後のお別れはしたかった」「入院中で現地に行けない」。そんな人々にとって、バーチャル空間で“共にその場にいる”感覚を共有できるこのシステムは、これからの時代のスタンダードになる可能性を秘めている。当初は同社の葬儀利用者向けに展開されるが、将来的には誰でも予約利用できる環境を整えていくという。

スマホでお墓参り、NFTの墓地も。メタバース霊園『風の霊』が拓く“デジタル時代の弔い”最前線

今回の発表で最も注目を集めたのが、NFT(非代替性トークン)技術を活用した「霊園スペース」の本格始動である。

中央にそびえる大樹を囲む4つのエリアから、利用者は好みの区画を選択・購入する。区画の価格は最初期で10万円程度を想定。特筆すべきは、この区画がNFT化されている点だ。つまり、デジタルデータでありながら「唯一無二の権利」として証明されているのである。

スマホでお墓参り、NFTの墓地も。メタバース霊園『風の霊』が拓く“デジタル時代の弔い”最前線

この区画は、現実世界の土地と同様に価値が変動する可能性があり、将来的には独自のマーケットプレイスを通じて個人間での売買や転売も可能になる予定だ。また、墓石に近づくと表示されるアイコンからNFT化された「供物」を購入でき、これによってお墓参りの足跡を残すこともできる。墓地を「資産」として、また「継承可能なデジタルデータ」として捉え直す視点は、極めて現代的だ。

スマホでお墓参り、NFTの墓地も。メタバース霊園『風の霊』が拓く“デジタル時代の弔い”最前線

アルファクラブ武蔵野が提案するのは、メタバース霊園だけではない。同社が展開する「さがみ典礼なら『また、逢える』シリーズ」には、SF映画のような驚きのサービスが並んでいる。

【バーチャルAI故人サービス「Revibot(レビボ)」】
生前の写真や音声データをAIが学習。アバターとなった故人が、まるで在りし日のように語りかけてくれる映像を生成する。

【宇宙葬「Space voyage α」】
遺骨を人工衛星に載せ、地球周回軌道へ打ち上げる。

最後は大気圏で流れ星となって燃え尽きる。2026年6月には第3弾の打ち上げが予定されている。

【スマート仏壇「COHACO(コハコ)」】
現代の住環境に馴染むデザインにAIを搭載。名前を呼ぶと最適な遺影が現れたり、生前のメッセージを受け取れたりする対話型仏壇である。

一見すると、これらは「冷たいテクノロジー」に思えるかもしれない。しかし、同社の和田浩明代表取締役社長は「時代とともに葬儀の形は変化しても、人を想う心は変わらない。テクノロジーは、その想いを受け継ぐための手段だ」と語る。

スマホでお墓参り、NFTの墓地も。メタバース霊園『風の霊』が拓く“デジタル時代の弔い”最前線

2026年2月下旬、待望の新エリアが本格始動する。メタバース霊園風の霊が提供するのは、単なる代替品ではない。物理的制約や社会構造の変化で失われつつあった、集い・弔うという体験をテクノロジーで現代に最適化させた新たな形だ。

墓じまいや葬儀の小規模化が進む中で、デジタルを介して思い出を共有し、継続的な供養を可能にするこの試みは、希薄化する人と人の繋がりを再構築する可能性を秘めている。

伝統を重んじつつ最新技術で選択肢を広げる同社の挑戦は、私たちの人生の締めくくり方をより自由で温かなものへと進化させていくだろう。

■メタバース霊園『風の霊』公式サイト:https://kazenorei.jp/

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