地球にはすでに2万年前に高度な文明があり、そしてある事件によりその文明は滅んでいました。人類は地球を捨てて新たに宇宙に進出し、地球に残された一部の人類がやっと今日の文明を再建築・・・。
『輪廻のラグランジェ』はそんな世界観を持つ人気ロボットアニメです。

 今回ご紹介する「アステリア・リーザマリー・ド・ロシュフォール」は、主人公の「まどか」「ラン」「ムギナミ」の乗る変形ロボット「ウォクスシリーズ」を、2万年前に残された「ウォクスコア」により建造したノウムンドゥス財団の会長。見た目は10歳程度の少女ながら、謎を秘めたキャラクターです。

【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】

■2万・・・歳?

 実はアステリアとは仮の名前で、彼女の本当の名前は「女王メイクン」。
その正体は2万年前に地球にあった国家レ・ガリテの女王でした。宇宙に進出した末裔であるランの故郷の星レ・ガリテに住む人々の直接のご先祖さまです。

 2万年前、オリジナルのウォクスである「ウォクス・イプシエンス」に乗って戦った女王メイクンは、ウォクスとメモリア(ウォクスコアとの間に絆を結ぶ)したことで人の心の声が聴こえるようになり、信頼していた側近たちが自分を裏切っていたことを知り絶望の末暴走。メモリアしたパイロットの精神とつながる空間「輪廻」を開いてしまいます。心で思ったことを具現化させてしまう「輪廻」は、女王メイクンの絶望した心を反映して地球を滅亡させました。これが2万年前に文明が滅んだ事件でした。


 「輪廻」から帰還し、その後悔の念から10歳ほど若返った姿が今のアステリアです。本人は年齢を「2万10歳」と言っていましたが、そのことから実際には2万20歳程度だと思われます。

■おちゃめさん

 2万年の時を生きてきたアステリアですが、その割に精神は若く、地球を訪れたランに地球の風習を教えるに際し、手をまねきねこのようにして「わん」と言うのが地球の挨拶であるなどと吹き込んだりしています。おかげでそれを真に受けたランは「わん」をやり続け、アステリア本人に冗談だったと教えられたときは壮絶に赤面していました。

 アメリカ大統領にすら大上段から物申せるアステリア。しかし、日本の庶民文化には疎かったようで、まどかたちの通う鴨川女子高校の文化祭「おらが祭」を訪れた時に、うなぎの蒲焼を知ってからというもの、庶民の味に目覚めました。
それからも鴨川を訪れてはいろんな味を楽しんでいるようです。

■女好き?

 2万年を生きる富豪幼女・アステリアのまわりには男っ気がありません。しかし、ウォクスコアの実験のときにまどかに羞恥心を起こさせるため、様々な恥ずかしいワードを並べ立てるなどそれなりに性知識はあると思われます。また、まどかの胸やおしりを触ったり、まどかの従姉の考古学者・中泉ようこを重用して、重要な相談をしたり、外遊時に常にそばに置いたりと、もしかして男より女好き?と思わせるような描写もあります。

■地球と宇宙の架け橋

 アステリアは、宇宙の勢力同士の融和や宇宙の国家と地球との交流に非常に力を尽くしました。お固い国家間の会議の場を設けるのみならず、鴨女の運動会を宇宙に配信したりといった草の根レベルの活動をすることもあります。
それは、かつて自分が引き起こした大惨事への贖罪の念からくるのかもしれません。

 2万歳を越えてなお好奇心の付きないアステリアは、ようこを従えて世界中を飛び回っています。もう過去のことにとらわれず、楽しいご長寿ライフを楽しんでください。

【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】

★記者:玄Kuro(キャラペディア公式ライター)

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