代官山の地図のなかに「奈良県」がある
(上)よーくみると、真ん中に「奈良県」の文字(文庫版 東京 都市図)。(下)左側が奈良県渋谷寮。奥にはお庭も。
散歩好き必携の一冊といえば、昭文社の『文庫版 東京 都市図』。私も肌身離さず持ち歩き、ひまを見つけてはぼんやり眺めているのだが、先日、いつものよう見ていた地図の上にビミョーな違和感が。
よく見ると代官山の鎗ヶ崎交差点付近に、「奈良県」と書かれた場所があるのだ。 植民地? 大使館みたいに治外法権だったりする? いろいろ想像をふくらませつつ、渋谷の仕事場から自転車で現地に向かってみた。

渋谷区恵比寿西1-36。地図の示す場所にあったのは「奈良県渋谷寮」だった。どうやら地図には、この建物名が省略されて掲載されていたようである。今までまーったく気にとめなかったのだけど、この奈良県渋谷寮、塀に世界遺産となった吉野大峯のポスターが貼ってあったり、さりげないが「奈良県」アピールだってある。


ホームページによれば、ここは「奈良県職員が東京への出張時に利用する宿泊施設」として、昭和43年に建設されたものそうだ。さらに「部屋に余裕があれば県民の皆さんの利用が可能」とも。気になる宿泊費だが、和室8畳のお部屋を2人以上で利用して、ひとり3400円! 場所は、代官山駅もヒルサイドテラスも代官山アドレスも徒歩3分圏内にある超一等地と考えれば……げ、激安!!

このご時世、この手の施設がいつまで存続するかは未知数ゆえ、奈良県民の皆様には、一刻も早いご利用をおすすめします!
(矢部智子/アンテナ)