いちばん夢のある「落ち葉」利用法
落ち葉のプールは12月26日まで。とくに年齢制限はないそうですが……。
暖かかった秋も終わり、いよいよ本格的な冬の到来。赤や黄に色づいた木の葉が、風に舞う季節である。
落ち葉といえば……焼き芋! と条件反射のように答えてしまうけれど、そんな落ち葉を、焼き芋以上にステキに活用しているところがあるというので行ってみた。

場所は、多摩動物公園。多摩動物公園といってもおそろしく広いので、さらに詳しく説明すると、オーストラリア園のコアラ館近くの広場。そこに先月末からオープンしているのが、「落ち葉のプール」である。

見ると、公園の砂場くらいの広さ、大人の膝くらいの高さの木枠のプールに落ち葉がたくさん集められていて、そのなかで子どもたちが大はしゃぎ中。ほんとのプールみたいにダイブしたり、落ち葉をすくい上げて頭からかぶってみたり、なかには温泉みたいに肩まで浸かってうっとりしてる子もいる。

その様子があまりにも気持ちよさそうなので、思わず私も、(それこそ温泉の湯加減を見るように)手を伸ばしてみたのだが、落ち葉の中はけっこう弾力があって、カサカサしてる羽毛布団を触っているような感じ。私も、身体を沈めたい欲望にかられました。

プールだけ見てると「こんなにたくさんの落ち葉を集めるの、大変だろうなあ」と思ってしまうが、ここ多摩動物公園は、多摩丘陵の雑木林を残しつつ造った山の中の動物園。約52ヘクタールという広大な敷地には、あちこちにイヤってほど落ち葉があるのだ。風が吹くと、その雑木林から雨のように落ち葉が降ってきてすごくきれい。

大人はプールで遊ぶことはできないけれど、誰でも体験できるこの落ち葉のシャワーもまたいい感じです。
(矢部智子)
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