
「あのギザギザした独特の形は五重塔をイメージしたものらしい…」ある時、そんな噂を耳にし、なるほどーとなんとなく納得していた私だったが、「だとしてもなぜ?」という疑問は晴れなかった。そこで、今日こそは! と思い立ちその真相を確かめてみることにした。
なんといっても目立つ建物なので、道に迷う心配はない。池の周りをぐるっと、とにかくビルの見える方角に進む。10分ほど歩き、建物の足元にたどり着いてびっくり。このビル、「ソフィテル東京」というホテルなのだった。ゴージャスな雰囲気の入り口を怯えながらくぐると、清潔感あふれるスタッフの方々がお出迎え。フロントで、「このビルの形のことなんですが…」と切り出すと、次のような答えが返ってきた。
「この建物は建築家の菊竹清訓氏の手によるもので、当初は住宅用に設計されたものでした。緑の多い上野ということもあり、住宅と森の融合といったテーマでツリー型に作られたものだと聞いています。よく五重塔と言われたりするんですが、樹のイメージなんです。」
そうかー五重塔じゃなく「樹」だったのか!言われてみれば確かに樹の形。ちなみにこの「ソフィテル東京」、世界的に有名なホテルチェーン「Accor(アコー)」によって運営されており、「ソフィテル」はその中でも最高ブランドに位置づけられているのだとか。
この日、帰りに寄った「上野動物園」からもよく見えた「ソフィテル東京」。キリンやサイ越しに見る不思議建築はなんとも非現実的でオススメです!(スズキナオ)