
さっそく近くの図書館で雪についての本を読んでみると、ちょっとビックリの非常識ともいえる新事実が判明。
まずは一つ目。湿度といえば誰でも100%が上限と考えているものだけれど、低温の雲の中ではしばしば水蒸気が湿度100%以上の状態となっており、その余分な水蒸気が雪の結晶となっているらしい! 湿度100%以上ってありえる話なのだ。
そして二つ目。水というのは0℃で凍るというのはこれも当たり前の話なのだが、ゆっくりと冷やされると0℃以下になっても凍らないらしい! なんか信じられないような話だが……。
つまり雪雲の中では、余分な水蒸気が凍結して雪の結晶となり、凍っていない水滴が蒸発して余分な水蒸気になる、という繰り返しで雪の結晶が次々と生成されているらしい。
雪が降ることが、妙に神秘的な話のように感じてきた。
さらに気象庁天気相談所にも聞いてみた。
「雪の結晶の形は温度と相関があり、結晶が出来たときの温度によって角柱状・扇状・樹枝状・針状など、大きく13種類に分かれます。
なるほど。例えば樹枝状の結晶は温度が-10℃くらい、針状の結晶は-5℃くらい、というように温度によって形が違うらしい。
また結晶の形を知っている人は多いと思うが、実際に見たことのある人は意外に少ないのでは? と思って簡単な観測方法も聞いてみた。
「観測には、針のようなとがったものの先に雪の結晶を当てたり、外気と同じ温度で冷やしたガラス板に雪を落としたりして顕微鏡で見たりするとよいでしょう」
顕微鏡を用意するのは難しいかもしれないが、5mmを超える結晶もあるので、肉眼で見ることも可能だろう。雪国生活26年の友人によると「冷やした黒い下敷きの上に落とすと見やすいかも」とのこと。ぜひお試しあれ。
「雪は天から送られた手紙である」という言葉を残したのは、雪の研究の第一人者である中谷宇吉郎先生。皆さんは天からの手紙にどんなメッセージを期待しますか?
(おむらいす)