そんなひとつが、サンコンさんの「視力6.0」。
メガネスーパーに聞いてみた。
「そもそも視力は、1.0が基準になっているんですよ」
というのは、人事教育センター担当者。測定法は、5メートル離れたところで、例の「C」の字に似た「わっか」の、どこが切れているかを見るというものだが、
「わっかの60分の1、時計でいう"1分"の隔たりがわかると、視力1.0になるんです。
つまり、視力6.0とは、5メートルの6倍の距離=30メートル離れても、この“1分”がわかる視力なのだそうだ。
「日本でも、0.1未満の視力をはかる場合、距離を縮めていきますよね? 視力6.0の測定法は、その逆の方法というわけです。案外、単純でしょう?」
特別な器具などなくとも、「視力6.0」の測定は可能だという。じゃ、そもそもなぜ2.0までしか測定しないの?
「日本での視力測定はもともと、『学校視力』といって、どのくらい見えていないと学力に差し支えるかをキャッチするためのものだったんです。だから、悪いほうのチェックが目的で、良い方のチェックはないんですよね」
つまり、測っていないだけのことであって、日本国内にも「サンコンさん並みの人」がいる可能性はあるってこと!?
「アフリカなどでは視力の良い人がたくさんいますが、視力はどうしても生活環境によるものが大きいので……。日本人の特徴として、昔から『カメラとメガネ』と言われたように、読書や勉強をよくし、最近ではパソコンなどの普及もあって、近いところのものを見る頻度が高いので、視力の良い人は少ないですよね。
日本人の視力6.0は、理論上は存在するようだが、やはり現実的ではないようだ。
(田幸和歌子)