駅弁のおかずの「ど定番」は何か
旅行に出張、今度は何の駅弁にしようかな。
近頃の駅弁って豪華なものが多いし、品数豊富で栄養バランスも良い。
だが、出張などで駅弁が続くと、どうしても「かぶる」おかずがあり、「あ、行きにもお会いしましたね♪」みたいな心境になる。

そもそも弁当の具材は「冷めても美味い」「つゆが出ない」などの条件をクリアしなければいけないのだろうから、ある程度、制限されるのは当然である。

じゃ、そんななかでも登場頻度のいちばん多い、駅弁のおかず「ど定番」は何なのか。
JRの車内販売でおなじみの、「NRE(日本レストランエンタプライズ)」の協力を得て、関東で扱われている人気のお弁当を20種ピックアップしてもらった。

対象は、「老舗の味『東京弁当』」「懐石弁当『大人の休日』〜冬〜」「『極附』弁当」「吹き寄せ弁当 冨有の華」といったゴージャス版から、「幕の内弁当」「中華弁当」「チキン弁当」などの定番まで。
NRE広報の近藤次長が、「昔から駅弁には『三種の神器』というものがある」という衝撃の情報を教えてくれた。
「シャケ、玉子焼き、蒲鉾なんですよ。
おそらくそのあたりが上位にくるんじゃないかな?」
私の予想では、このほかに梅干あたりも食い込んできそうな気がするが……。さっそくカウントしてみた。

開始後、すぐに気づいたのは、三種の神器が出てこないこと!
というのも、最近では、魚は「姫鯛白醤油焼」「赤魚白醤油焼」「鱈西京漬」「銀鱈粕漬」「鮭味噌焼」など、凝った料理が増えているため、シャケの塩焼きはたった3件なのだ。
蒲鉾も2件とまったくふるわない一方で、「玉子焼き」のみが健闘し、20件中12件、6割の出現率をほこる結果になった。
私の予想していた梅干は、たった2件。他に、「カリカリ梅」が2件。
梅も細分化している。でも足しても4件。個人的に多いと思っていた「有頭海老」も3件に終わった。

では、多かったものを上位から発表しよう。
・1位:人参……18件(煮物〜紅葉人参、梅花人参、雪だるま人参など細工はいろいろ)
・2位:玉子焼き/コンニャク(煮物)……12件
・4位:蓮根(煮物)……11件
・5位:里芋(煮物)……9件

以下、ゴボウが8件、筍が7件、絹さやが5件、椎茸が4件と、「煮物」勢ばかりが票を伸ばすなか、意外な大健闘をしたものがあった。
「しし唐素揚げ」6件、「菜の花のお浸し」4件である。


なお、お弁当の定番「鶏の唐揚げ」「きんぴらゴボウ」はそれぞれ2件、「おべんとうのうた」でおなじみの「スジの通ったふき」も2件。
昔もいまも大定番の「玉子焼き」をおさえて、20件中18件、実に9割という圧倒的な票数を集めたのは、「人参」だった。
メインにはなれないが、色味と栄養バランス、双方兼ね備えたこのアイテムが、欠かせない「陰の主役」ということだろう。
(田幸和歌子)