忙しい人こそ! 野菜たっぷり「重ね煮」の魅力
<a href="http://item.excite.co.jp/detail/ASIN_486248204X/">『ひとつの鍋から幸せひろがる 野菜たっぷり重ね煮レシピ』</a>(船越康弘・船越かおり/洋泉社)。<br>基本の重ね煮のほか、野菜の種類をたっぷりにした重ね煮など、いくつかのパターンがあり、レシピは全部で50種!
忙しいときの食事って、つい外食や買ってきたお惣菜に頼っていませんか?

自分自身、料理するといっても、時間がないときは「焼く」「炒める」などが中心で、時間のかかる煮物などはなかなか……ということも多いのだが、最近、ちょっとハマッているのが、「重ね煮」である。

これは、まだ刊行されたばかりの本『ひとつの鍋から幸せひろがる 野菜たっぷり重ね煮レシピ』(船越康弘・船越かおり/洋泉社)で紹介されている調理法のこと。


まず惹かれたのが、帯の「皮つき素材を切って重ね 水も油もほとんど使わない!」という文句だが、最初は「鍋料理みたいなもの?」と思った。
だが、実際は、「野菜煮のストックを作っておくことで、様々な料理にアレンジできる」というもののよう。

刊行のきっかけを担当者に聞くと、
「著者は、自然食品の料理宿『わら』のご主人で、もともとマクロビオティックなどに興味のある人にはよく知られている方なんですが、この『重ね煮』は、基本的に野菜の切り方と重ねる順番が大事というだけで、あとは応用自在なんです」
とのこと。

「重ねる順番」は、マクロビオティックの基本理念「陰陽論」に基づいているそうで、「上に向かって伸びる葉菜類やふくらんだ果菜類を下にして、下に向かって伸び、引き締まっている根菜類を上にして煮る」というのが基本。
この順番だけ守れば、あとは簡単というので、まず実際に「基本の重ね煮」の「玉ねぎ、しいたけ、にんじんの重ね煮」を作ってみた。

野菜を刻み、鍋に塩を振り、「しいたけ→玉ねぎ→にんじん」の順番で重ねて、また塩を振って、フタをしてとろ火で煮るだけ。
火を止めるタイミングも「いい香りがしてきたら」と、実にラクチンだ。
火を止め、混ぜ合わせてみると、素材と塩だけの味なのに、これだけですでに甘く美味しい。水を加えないことで、野菜のうまみが逃げず、凝縮されるためだということだ。

早速、この基本の重ね煮を使って、レンコンのすりおろしとつなぎを混ぜたハンバーグ、厚あげと重ね煮、刻みねぎを散らした味噌汁を作ってみた。
重ね煮を使うことで、調理がずいぶん短時間で済むのに、調味料をあまり使っていないとは思えないほど、甘みたっぷりだ。 
さらにこれを後日、トマトソースのパスタや、きのこのクリーム煮、野菜スープにアレンジし、結局、1回の重ね煮で、5種類もの料理に使い回すことができた。


この野菜煮の良いところは、油を使っていないから、酸化しないため、1週間もストックできること。そんなわけで、最近は、週末に「重ね煮」をまとめて作り、平日の料理にアレコレ使い回している。休日など、ちょっと時間ができたとき、「ひたすら刻む」という作業は、無心になれてストレス解消にピッタリだし、重ねて鍋に入れてしまえば、後は放っておけるから、「ながら」もできるのが嬉しい。

忙しい人こそ、忙しいときこそ、ぜひ「重ね煮」、してみませんか?
(田幸和歌子)

洋泉社HP
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