日本全国津々浦々、大小さまざまなライブハウスが存在する。キャパの違いだけでなく、個々の「箱」ごとに独自の世界観があるところが魅力だ。
ライブハウスが「箱」と呼ばれるように、箱の“中身”は扉を開けた人にしか分からない。大きなドームやスタジアムも良いけれど、地下へと向かう暗い階段をくだり、重たい扉を開けた先に広がるキャパ100〜300人の空間には、思いがけない世界が広がっているものだ。
さて、そんなライブハウスのなかでも日本屈指の個性を放つ箱が、京都に存在する。その名も「磔磔(たくたく)」。2014年4月で40周年を迎えた老舗のライブハウスは、築100年を誇る。
ライブハウス「磔磔」は京都下京区・四条駅の仏光寺そばに位置し、風情溢れる京都の街並に溶け込みながらも、ひっそりと不思議な雰囲気を醸し出す。実はここ、取り壊されるはずだった酒蔵を手作りで改築し、ライブハウスへと生まれ変わった場所なのだ。酒好きとしては、なんともテンションが上がってしまう……!
実際に会場に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが大きな柱だ。数あるライブハウスのなかでも、客席中央に柱がある場所はそうそうない。この柱は、「磔磔」のシンボルなのだ。
建物の構造上、演者の登場の仕方もユニーク。
演者がステージに上がると、その目線が客とほとんど同じ位置にあることが分かる。ステージと客席に大きな段差がないため、一体感が尋常ではない。通常キャパ100〜300人のライブハウスであっても、ステージが高かったり冊があったりと演者との距離を感じる場所も多い。しかし「磔磔」は、客席とステージの境界が限りなくゼロに近く、他では味わえない臨場感があるのだ。
また、京都という場所にふさわしく、ステージの床が畳でできていることも魅力。ステージの背景には「磔磔」の文字と障子が設置され、そこに蔦が絡み付いている様は番町皿屋敷風でなんとも妖艶だ。
【数々のアーティストを輩出した老舗の箱】
無数のバンドステッカーや落書きは音楽の歴史を物語り、煙草のヤニで汚れた壁やボロボロになった冊には、長い間その空間を共にしてきた演者とファンの思い出がしみ込んでいる。
ライブハウスが「箱」と呼ばれるように、箱の“中身”は扉を開けた人にしか分からない。大きなドームやスタジアムも良いけれど、地下へと向かう暗い階段をくだり、重たい扉を開けた先に広がるキャパ100〜300人の空間には、思いがけない世界が広がっているものだ。
【元酒蔵のライブハウスが存在する!】
さて、そんなライブハウスのなかでも日本屈指の個性を放つ箱が、京都に存在する。その名も「磔磔(たくたく)」。2014年4月で40周年を迎えた老舗のライブハウスは、築100年を誇る。
ライブハウス「磔磔」は京都下京区・四条駅の仏光寺そばに位置し、風情溢れる京都の街並に溶け込みながらも、ひっそりと不思議な雰囲気を醸し出す。実はここ、取り壊されるはずだった酒蔵を手作りで改築し、ライブハウスへと生まれ変わった場所なのだ。酒好きとしては、なんともテンションが上がってしまう……!
実際に会場に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが大きな柱だ。数あるライブハウスのなかでも、客席中央に柱がある場所はそうそうない。この柱は、「磔磔」のシンボルなのだ。
建物の構造上、演者の登場の仕方もユニーク。
通常演者はステージのそでから現れるが、ここでは楽屋が2階にあるため演者は客席後方の階段を下り、客席を通ってステージに登場する。さすが元酒蔵!
演者がステージに上がると、その目線が客とほとんど同じ位置にあることが分かる。ステージと客席に大きな段差がないため、一体感が尋常ではない。通常キャパ100〜300人のライブハウスであっても、ステージが高かったり冊があったりと演者との距離を感じる場所も多い。しかし「磔磔」は、客席とステージの境界が限りなくゼロに近く、他では味わえない臨場感があるのだ。
また、京都という場所にふさわしく、ステージの床が畳でできていることも魅力。ステージの背景には「磔磔」の文字と障子が設置され、そこに蔦が絡み付いている様は番町皿屋敷風でなんとも妖艶だ。
【数々のアーティストを輩出した老舗の箱】
1974年開店当初は、レコードだけを扱っていた音楽喫茶だったという「磔磔」。その後1975年の半ばごろからライブをやりはじめたという。公式ウェブサイトに掲載されている1975年当時の出演者リストには、やしきたかじん氏や、憂歌団、笑福亭鶴瓶氏、翌年には駆け出しの忌野清志郎氏を擁するR.C.Successionなど、名だたるアーティストの名前が並ぶ。
1980年代以降は、レッド・ウォーリアーズや織田哲郎氏、筋肉少女帯、聖飢魔IIなどもお目見えする。その後も、ウルフルズ、エレファントカシマシ、ゆらゆら帝国、フジファブリックなど名だたるバンドが「磔磔」のステージに上がってきた。またTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTも、2003年9月25日にLAST HEAVEN TOUR2003のライブを行っている。
数あるライブハウスのなかでも、歴史と風情を感じさせる京都「磔磔」。元酒蔵だと知ると、この箱で飲む酒はひときわ美味しい。京都観光の際は、ぜひ一度「磔磔」に足を運び、さまざまなジャンルのアーティストを育ててきたこの空間を体感してみてはいかがだろうか。
(はなふさ ゆう)
1974年開店当初は、レコードだけを扱っていた音楽喫茶だったという「磔磔」。その後1975年の半ばごろからライブをやりはじめたという。公式ウェブサイトに掲載されている1975年当時の出演者リストには、やしきたかじん氏や、憂歌団、笑福亭鶴瓶氏、翌年には駆け出しの忌野清志郎氏を擁するR.C.Successionなど、名だたるアーティストの名前が並ぶ。
1980年代以降は、レッド・ウォーリアーズや織田哲郎氏、筋肉少女帯、聖飢魔IIなどもお目見えする。その後も、ウルフルズ、エレファントカシマシ、ゆらゆら帝国、フジファブリックなど名だたるバンドが「磔磔」のステージに上がってきた。
またTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTも、2003年9月25日にLAST HEAVEN TOUR2003のライブを行っている。
数あるライブハウスのなかでも、歴史と風情を感じさせる京都「磔磔」。元酒蔵だと知ると、この箱で飲む酒はひときわ美味しい。京都観光の際は、ぜひ一度「磔磔」に足を運び、さまざまなジャンルのアーティストを育ててきたこの空間を体感してみてはいかがだろうか。
(はなふさ ゆう)
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