最近では、劇団ひとりが『笑っていいとも! 増刊号』の企画で、「レモンの早食い」「にんにくの早食い」の記録を樹立するなど、本当にいろんな記録があるギネスブック。

記録を更新した側はニュースになり、注目を浴びるけど、その一方で、「破られた側」はどうなるんだろう。
もしかして証書を返還させられたりするもの? 

「ギネスに挑戦」を合言葉に、ジャンボのりまきの記録に挑戦してきた福島県小高町商工会に聞いてみると……。
「挑戦は10年くらい前にやめていますし、実際には『ギネス記録に挑戦』というだけで、申請はしてないんですよ。申請だけでウン十万円かかったり、英語で申請とか大変でしょう?」
いまはギネス社のHPから日本語で申請できるようになっていたりするのだが、確かに申請は大変なこと。小高町の場合、実際に申請もしていないのだから、「更新」もされていないわけだった……。

では、今年、インドにギネス記録を破られたばかりの西尾市はどうか。
2006年10月8日、「ギネスに挑戦!! まちなか1万人 西尾大茶会」のイベントで1万4718人の参加者を得て、お茶会のギネス記録を達成。今年、「インドのインドール市で開かれたティーパーティーに3万2681人が参加」として、記録を更新されたと聞くけど……。

西尾市商工課に聞いてみると……。
「ティーパーティーのことは、国際交流しているインドのインドール市から、こちらの情報課にメールが入りました。ちょうど休日中の連絡だったので、休み明けに知ったのですが、『記録を更新したのでメッセージをくれ』ということでした」(担当者)
ただし、この新記録の「ティーパーティー」、西尾市のお茶会とは違い、チャイパーティで乾杯するだけというものだったそうで、
「『ティーパーティー』という部門しかなかったため、記録更新というかたちになってしまいましたが、『こちらでは、日本古来の茶道の方式にのっとってやっていますので』と一言添えて、『おめでとうございます』というメッセージを送りました」とのこと。
破られた側の思いとしては……。
「私どもの認識不足で、記録が破られてしまったことは仕方ないです……。
でも、1年くらいは記録があったわけですし、日本古来の作法にのっとったお茶会で破られたのなら、恥ずかしい思いもありますが、『飲んだだけ』ですし……。記録に誇りは持っています」

ところで、ギネス記録が更新されたことに関して、西尾市のほうには、ギネス社からはメールや手紙など、一切の連絡がなかったのだとか。
「事実確認していませんが、新聞などの報道で目にしたので、記録更新されたようですね」という程度。もちろん証書の返還などは、「していません」。

それにしても、ギネス記録を破ったり、破られたりを繰り返しているような話もときどき耳にするのに、更新されてしまった側には、その事実も知らされず、自分で調べる以外、「事実かどうか」を知る由もないとは。
ちょっと意外です……。
(田幸和歌子)
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