マーケティング支援会社・AMFの調査「女子中高生が選ぶ2019年のトレンド予測」の<ヒト部門>で、宮脇咲良らも参加する日韓合同のガールズグループ「IZ*ONE」やジャニーズJr.の注目株「SixTONES」、女優の「浜辺美波」らと並び選出された、「QuizKnock(クイズノック)」。
東大クイズ研所属の「クイズ王」率いる知識集団「QuizKnock」メンバーの共通点とは?
QuizKnockメンバー(撮影:安岡花野子)

東京大学クイズ研究会所属のクイズ王・伊沢拓司さんが率いる“知識集団”、それがQuizKnockだ。

東大クイズ研を中心とした有志の学生ライターにより、2016年の秋に伊沢さんが誕生させた。

WEBサイト上で記事を配信しており、時事的な話題や各ジャンルについてのクイズを楽しみながら、「遊んでいたら知識がついている」ことを目指す。17年の春からはYouTubeチャンネルを開設、18年12月現在、45万人超の登録者数をほこる。

そんな「QuizKnock」の世界が、書籍化されている。その名も『東大発の知識集団 QuizKnockオフィシャルブック』。
東大クイズ研所属の「クイズ王」率いる知識集団「QuizKnock」メンバーの共通点とは?
「東大発の知識集団 QuizKnockオフィシャルブック」(クラーケン刊)

初級から最上級まで、QuizKnockのメンバーが本書のために書き下ろした84問のクイズを収録。

1ページに問題が書かれ、めくるとその解答が記されているというシンプルな構成。途中に挿入される、各ライターによる<ライタークイズ>も、それぞれの個性が感じられ、楽しい。
東大クイズ研所属の「クイズ王」率いる知識集団「QuizKnock」メンバーの共通点とは?
どこを開いてもクイズ問題が楽しめるつくり。

WEBメディアを中心に活躍するQuizKnockは、なぜ今回、あえて紙媒体の「書籍」という形を選んだのだろうか。

書籍だからこそできる楽しみ方


QuizKnock代表の伊沢拓司さんに聞いたところ、
「ウェブや動画で出題するクイズには、無料公開ゆえの画像権利上の難しさもありました」
と、書籍の利点を語ってくれた。
「そのような理由から、今回のオフィシャルブックでは書籍だからこそできる、画像を用いたクイズをたくさん入れてみました。さらに書籍には、『反復しやすい』『すぐ人に出せる』『パッと開いて何度も何人でも楽しめる』という利点があります。出したいものをパッと開くという書籍ならではの楽しみ方で、何度でも多くの人と楽しんでください」

今回の「オフィシャルブック」に収録される問題は、どのような基準で選ばれたのだろうか。

「まず前提として、いろいろな人に楽しんでいただけるよう、幅広いジャンルを設定しました。そのうえで、この本でしか載せられないクイズ、他の本やウェブサイトでは見られないクイズを選びました」

さまざまな層の読者と幅広いジャンルからの出題となると、問題の難易度の設定も悩ましいところだ。
「ただただ難しいものではなく、『日常に持って帰れる知識』であり、他のクイズ本とかぶりがない問題を用意するのはなかなかハードでした。良いネタをQuizKnockの各人が出し合い、それがより良い問題に、より良い解説になるようにブラッシュアップを繰り返していきました」
東大クイズ研所属の「クイズ王」率いる知識集団「QuizKnock」メンバーの共通点とは?
メンバーそれぞれの個性も楽しい。


伊沢さんに、本書に収録されている問題の中でお気に入りの問題を聞いてみたところ、
「後半に進むにつれ、だんだん難しくてなっていく構成ですが、最後の『超上級』に配置した問題はどれも気に入ってます」
とのこと。
「『超上級』といっても、ただただ難しいのではなく、『こんなものがあるのか!』『実はこれってこんな意味があるのか!』というモノを揃えたつもりです。逆にイージーなゾーンでは、テレビのクイズ番組などではあまり見ることのできない芸能・スポーツジャンルを充実させました。
『有名ギタリストのギターを画像から当てる』『野球場のバックスクリーンにお客さんを入れない理由』などの問題は新規性があって気に入っています」
東大クイズ研所属の「クイズ王」率いる知識集団「QuizKnock」メンバーの共通点とは?
伊沢さんお気に入り問題のひとつ。さて、その正解は? 本書でチェックです。

本書では、クイズノックの主なメンバーの「ネタ帳」を一部公開したり、初期メンバーによる座談会が収録されたりなど、クイズの問題と解答以外の読み物のページも楽しめるような作りにもなっている。


メンバーの共通点は「視点」


そんなQuizKnockのメンバーに共通するのは、どのような部分だろうか。
「クイズ作成上のソースは、メンバーそれぞれ多種多様ですが、共通しているのは、『このネタを面白いクイズにするためには、どのような切り取り方をするべきだろうか』という視点だと思います」
と伊沢さん。

「今回のオフィシャルブックでも、たとえば『答えはみんな知っている単語だけれども、こんな感じの問題にすると難しい』というような、『視点を変えた』問題を多く取り入れています。より深く、もしくは別角度から既存の知識を見る楽しさを味わっていただければと思います。そして、『この問題、面白いな』というものがありましたら、ネットで検索して、さらにその知識について深掘りしていただくことをお勧めします」

QuizKnockの名前の由来は、「たくさんクイズに触れられるという意味での『千本ノック』と、新たな知識の扉を叩く『ドアノック』。
それをクイズとかけて名付けました」と、伊沢さんは語る。
「知識の広がりと深みが増していくと、ほかの知識と結びつき、より有用で楽しいものになります。この本をきっかけとして、楽しい知識をどんどん仕入れてみてください」

まずはこの本で、千本ノックを受け、新たな知識の扉をノックしてみるべきか。
(太田サトル)