いや私に限らず日本人なら、お母さんが買ってきてくれたり、学生時代にコーヒーをおかわりして友達と閉店までねばったり、山下達郎のテーマソングが時々頭に浮かんだりと、ミスドにまつわるそれぞれの思いがあるはず!? だ。
そんな国民的ドーナツのミスドが、昨年4月から韓国に出店し好評を得ている。しかも、イチゴ味のエンゼルフレンチや、サツマイモのオールドファッションなど、日本にはないメニューが盛りだくさんだという。
それって日本より先をいっているのでは? ミスド好きとして早速確認してみた。
韓国展開を進めるミスタードーナツコリア本部長の東さんにお聞きすると、9月末現在、発売中の37種類のうち、半数に近い16種類が韓国オリジナルのドーナツだという。アジア諸国にもミスドはあるが、ここまで独自性を持って展開している国は他にない。
「当初は日本の商品をそのまま持ってきたかったのですが、取り寄せできる原材料の違いや、日韓の嗜好の違いから、新メニューを開発することになりました」と東さん。
オープンに合わせ、韓国人に好まれるフルーツ系・抹茶系の味を多数開発した。イチゴ味のふわふわドーナツ「ポンデストロベリー」は、生地にもイチゴを練りこみ、表面に乾燥イチゴを乗せることで、日本のミスドにはあまりない甘酸っぱいドーナツとなっている。
新商品の開発サイクルがとんでもなく早いのも、韓国ミスドの特徴だ。今年8月に豆腐ドーナツを出したと思ったら、9月にはサツマイモドーナツを発表。2カ月後にはさらに次の商品を準備している。
「熱しやすく冷めやすいとは言いますが、韓国はスピードが命。
さらに、ダンキンドーナツ、クリスピークリームといった強豪ブランドが既に定着している、ドーナツ激戦区の韓国で出店するに当たり、質の高さには相当気を使った。
シュガーリングやハニーリングといった日本でも定番のドーナツは、日本なら水で練るところを、こちらでは100%牛乳を使って練り上げている。やはり、韓国のミスドはかなり進化しているようだ。
新商品の「豆腐ドーナツ」は、ヘルシーな上もちもちした食感がたまらなく、日本でも発売したいという声が社内であるほどだという。逆輸入される日も近いかも。
韓国旅行の際は、行列を作らずに買えるクリスピークリームに行くのもいいが、オリジナル路線を突き進む、韓国のミスタードーナツもぜひ訪れてほしい。激戦区・韓国で鍛えられたハイレベルな限定商品、日本で発売されるかもしれない新しい味を楽しむことができるだろう。
(清水2000)