果汁100%のジュースを購入する際、“濃縮果汁還元”という表示をよく見かける。過去のコネタでも触れていたが、この製法は搾った果汁の水分を飛ばして数倍に濃縮して冷凍保存しておき、使用時に水分を戻す製法のこと。
最初に飛ばした水分と同量の水分を戻せば、もとの果汁と同じ濃さになり、理論上果汁100%のジュースになる。対して、果汁を濃縮せず、果汁をそのままにパックした“ストレート”という製法がある。

この“濃縮還元”製法ならではの、ちょっと目先の変わったものを見つけた。

○果汁100%なのに炭酸!?

まず1つ目は、『トロピカーナ 100%フルーツスパークリング』。

“100%なのに炭酸”というのは、濃縮果汁に水分を加えて100%に戻す際、炭酸ガスを吹き込むことによって実現できる。“みずみずしい果汁を軽やかに楽しめる100%果汁炭酸”というキャッチコピーがついていて、「グレープフルーツ」「グレープ&ベリー」「マスカットブレンド」の3種類が発売されている。


以前差し入れでいただいたのだが、果汁のフレッシュ感に炭酸の爽快感がプラスされていて美味! 砂糖を加えずに、果実由来の甘さだけで作られているというのもうれしい。その場にいた女性陣からも「これ美味しい~!」の声があがっており、仕事の合間のリフレッシュなどにピッタリな気がした。

○果汁200%って?

2つ目は、果汁200%の 『ポッカ焼酎用グレープフルーツ』。

スーパーのお酒売り場でうろうろしていた際に、ラベルに“果汁200%”という表示を発見し、「えっ、200%って?」と思い、手にとってみた。よくよく見てみると「濃縮果汁のため100%の2倍濃くなっています」との記載が。論理は上記で説明した通りだが、発売元のポッカコーポレーションによると、「『ポッカ焼酎用グレープフルーツ』は、水分を戻す際に、最初に飛ばした水分よりも少なく加えることで、濃度の高い果汁にしています。
そのため、100%よりも濃い果汁ができあがります。だから焼酎で割った時、味が薄まらず、最適な味わいに仕上がるのです」とのこと。

まずはそのまま飲んでみたが……当然濃い。次に100%になるよう倍に薄めてみたところ、なんだかよい濃度になった気がする。そして、ビンに記載されている“おいしいグレープフルーツ酎ハイの作り方”に基づき、焼酎と水を4:6で割ったものに2割程度の果汁を加えてみたところ、正当派な美味しい酎ハイが出来上がった。個人的には、ビールに入れるのも美味かと。


ストレート製法のジュースは、たしかに美味しいと思う。でも、濃縮還元製法によって1年中安定して市場にジュースが供給されているわけなので、こういう“美味しくて”“目先が変わっていて”“濃縮還元の可能性を感じる”商品の今後には、もっともっと期待したいなあ……と思うのでした。
(磯谷佳江/studio woofoo)