ウルトラマンシリーズに関する知識の深さを確かめる「ウルトラ検定」については、1年以上前にコネタでも取り上げた。そしてこのたび、その第2回が実施される運びとなった。


あえて2回目を取り上げるのは、今回初めて1級の試験が実施されるためだ。前回も行われた2級、3級は誰でも自由に受験できるが、1級を受けられるのは前回の試験で2級に合格したもののみ。まさに選ばれし者たちのみが許される、最高峰のウルトラ知識への挑戦権なのである。

で、恥ずかしながら(ちょっと自慢げに)その資格を持つ私も、公式サイドが求めるウルトラ知識の頂点とはいかなるものか確かめてやろうと、1級試験に臨むことにした。ただし全然合格する自信はなし。前回2級に合格した際は、前日までに「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」までを全話一通り見直して臨んだのだが、ボーダーラインぎりぎりに滑り込んだのがやっとだっただけに、その難しさは容易に想像できた。

そして試験当日。開始と同時に開いた問題はその想像をはるかに超越していた。何というか、ゼットンとキングジョーとナックル星人とヒッポリト星人とバードン(あ、どれも歴代ウルトラマンが苦戦した怪獣・宇宙人です)が束になって襲ってくるようなハードさ。ほとんど歯が立たない。のっけから「怪獣の名前の最後に『ラー』がつく怪獣が一番多く出てくる作品は」なんて……。

このほか、主人公の本籍地や、防衛隊の基地のロケ地はどこかなど、目を大きく見開いて作品を3回繰り返してみないと気がつかないような細かいシーンに関する出題や、撮影時の裏話をそのまま聞く問題など、作品だけでなく関連書籍などに掲載された内容をも押さえていないと解けない問題も多数含まれていた。
また、特定の怪獣の鳴き声がほかの怪獣で流用されていた例は? など、子供の頃見ていて思わずツッコミを入れていたネタをそのまま出題されていたりと、こんなこと円谷プロ公認で出題していいのかと思うものもあった。

さらには、ここ数年各地で行われているウルトラ関連のイベントに関する問題(ウルトラマンの打ち上げ花火を打ち上げた花火業者の名前は? など)や、ウルトラマンが出演したテレビCMについて聞く問題まで登場。もはや単なる「ウルトラシリーズ」というテレビシリーズにとどまらない、「文化としてのウルトラマン」の認識度を測るのが1級の意義なのかなと、難問の数々と相対しながら感じた次第だ。

逆に言うと、世界に冠たる日本のテレビ文化を43年間にわたって支え続けてきた「ウルトラマン」というカルチャーが、その後の映像作りに影響を与えているのは言うに及ばず、おもちゃやゲーム、日用品のCMや地方の町おこしイベントなどなど、生活の隅々まで染みこんでいる実情を、この検定試験から垣間見ることができたと思う。

ちなみに今回の受験者数は、全階級合計で約1000人。このうち1級受験者は200人。前回2級合格者の3分の2が1級に臨んだ勘定になる。会場を見渡した印象は、やはり私と同じような“ウルトラマンに育てられた”大きなお友だちが目立った。
(足立謙二/studio-woofoo)
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