“なまり”に萌えた経験はないだろうか。男女問わず、その口から発せられる聞き馴染みのない方言にハートをわしづかみにされて。
何故だか、その語り口が純朴に聞こえるからズルい。
そして、今話題の漫才コンビである「U字工事」。彼らには、妙に母性本能をくすぐられる。その口調、地元愛、そしてすぐ謝るところ。

そんな彼らが持ち前の地元愛を発揮して、あるグッズの開発に参加した。そのグッズとは『U字工事の大好きとちぎかるた』(2,100円)。
このグッズ、要するにかるたなのだが、札に書かれている内容が栃木愛あふれるものばかり。

「ひょっこりと 野猿が飛び出す いろは坂」「無果汁で レモン風味の レモン牛乳」「ぽっと出の 浜松に負けんな 栃木餃子」といった栃木への熱い想いを読み上げる札がズラリ。
そうかと思えば、「沼と川 湖あっても 海がない」と、郷愁を誘うシブい読み札も。他にも「あこがれは 海がなくても 埼玉県」「茨城と 群馬に負けんな 栃木県」と、他県へのライバル意識も隠せない。

これらの文章、U字工事のネタ内容を元に作成されたものらしいのだ。私は栃木に縁もゆかりもないが、彼らの漫才はキライじゃない。
ということで、このカルタを友人たちと楽しんでみました。
今回、私が務めたのは読み手。ここで不思議な現象がひとつ。次々と札を読み上げていくのだが、中にはナカナカ発見されない札も出てくる。この瞬間がアタマにくるのだ。その怒りの種類も「オマエら、早く栃木のいいところに気付けよ!」みたいな。「茨城と 群馬に負けんな 栃木県」なんて読み上げてみると、本当に「群馬、茨城をやっつけろ」なんて心境になってしまったのは、私が単純だからだろうか。

そしてこのカルタ、みんなが取り手に集中し、読み手をU字工事にお任せすることも可能。商品には2人が栃木弁でカルタを読み上げるCDが同封されているのだが、これが聴いてて楽しい。いちいちボケとツッコミを展開してるのだ。まるで、彼らのネタCDを聴いているかのよう。
「あこがれは 海がなくても 埼玉県」に対して「それは、ちっと恐れ多いべぇ~」なんて自虐的な合いの手もあれば、「食ってみてえ 栃木のうんめえ コシヒカリ」に対して「ゴールデンウィークは、田植えでつぶれっちゃうかんね~」とシミジミさせるものも。
いやはや、栃木県民にも悩みはたくさんある。

このカルタ、12月8日に発売されたのだが1月上旬までに2万個が出荷される大ヒット。しかも、その多くは栃木県民が買って行ったというから、この同胞意識はホンモノだ。全国では書店、東急ハンズ、ドン・キホーテ等で購入できるのだが、栃木県内では県庁の購買部、パーキングエリアでも販売されており、すでに完売状態。
東国原知事のおかげで宮崎が盛り上がったが、次は栃木の番だろうか。そんな勢いを、ここ1~2年感じる(U字工事と、ザ・たっちのおかげで)。
(寺西ジャジューカ)
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