ネット上で140字の短いつぶやきを書き込める、米国発のコミュニケーションサービス、Twitter(ツイッター)が日本で流行しているが、韓国では国内の企業が運営する同様のサービス「me2DAY(ミートゥーデイ)」に、より多くの利用者が集まると言われている。
2007年2月にスタートしたme2DAY。
150文字だけ書き込めるシステムや、他の人のつぶやきが時系列で読めるデザインなど、ぱっと見た感じではTwitterと大差なさそうだが、実際のところはどうなのだろう。

ところでソウルには、ふたつのつぶやきサイトを併用し、患者や町の人とのコミュニケーションをはかる病院がある。
「医療のことはもちろん、飼い猫や食べ物の話など、日常的な話題も書き込みます。医者と患者が友達のような、人間的な関係を持つことが大事だと考えています」と話すのは、麻浦区の病院「ジェネラルドクター」医師、キム・スンボムさんだ。
彼ともう一人の先生が書き込むTwitter及びme2DAYは、患者だけでなく病院を訪れたことのない人、海外在住の人も読んでおり、Twitterだけでも2000人以上のフォロワーを集めている。事前にこれらでコミュニケーションを行った患者とは、診察時の説明もスムーズに進むとか。

me2DAYとTwitterを1年以上前から使いこなす彼に、その違いについてお聞きした。

me2DAYには、Twitterとは異なる機能がいくつか設定されている。なかでも大きな違いは、それぞれのつぶやきの下に、読んだ人が直接コメントを書き込めることだそう。これは話題を整理して読むのに便利とのこと。
さらに、Twitterで言う「フォロー」の代わりに、me2DAYでは「友達申請」というボタンが設けられていることも、大きな特徴だという。気になるユーザーと「友達」になるには、相手からの「受諾」を受けなければならない。
これにより、お互いの関係がよりはっきりすることとなる(なお「友達」にならなくても、気になるユーザーのつぶやきを時系列で読める機能もある)。

「me2DAYは友達同士でおしゃべりし、関係を維持するのに向いていると思います。一方Twitterは見知らぬ人にも開かれていて、開放的な印象を受けます」とキム先生。彼もme2DAYには友達に話すような日常的な話を、Twitterには情報を書き込むことが多いそうだ。

韓国でこれらのサービスがヒットしたのは、昨年夏のことだ。
me2DAYはアイドルグループ2ne1やBIGBANGのメンバーなど、人気スターが書き込んでいることから話題を集め、10代後半から20代前半のユーザーに広く使われるように。
一方Twitterは政治家や文化人の利用も多く、20代後半から30代前半のユーザーが多いと言われている。

キム先生も実際に使用しながら、「me2DAYのほうがユーザーが多く、韓国ではより一般化されているように感じます」と話す。
韓国でTwitterのヒットが一歩遅れた理由として、me2DAYとは違い韓国の携帯電話にうまく対応していなかったことを挙げる。「以前からツイッターを利用しているユーザーは、みんなパソコンで書き込んでいたんですよ」と先生。また日本とは異なり、Twitterの公式韓国語版がなかったことも、その理由となった。

しかし韓国でも昨年11月末にiPhoneが発売され、さらに国内発の携帯電話も、Twitterに対応するものが増えつつある。
また、韓国人ユーザー向けにTwitterを使いやすくする外部サービス「twtkr(ハングルツイッター)」も、既に始まっている。
「今後はTwitterの利用者も、どんどん増えることでしょう」とキム先生。これからはあなたのTwitterにも、韓国からのフォロワーがどんどん登場するかもしれない。
(清水2000)