先日、JTが、2010年10月1日からタバコの価格を1箱につき110円~140円値上げすると発表した。大幅な値上げにより喫煙者数の減少はまぬがれないだろう。


私の周りの愛煙家たちの中にも、「もうこれでやめられる! 終わりだ!」と、嬉しいんだか悲しいんだかわからない様子でこのニュースに衝撃を受けている人が少なくなかった。

ますます肩身が狭くなる愛煙家たちの行く末も心配だが、私がさらに気になるのは、物の大きさをわかりやすく伝えるためには、これから隣に何を置けばいいんだ!? という点だ。ある物のサイズを写真や映像で伝える場合、サイズのわかりやすいものを隣に置き、比較するという手法が取られることが多い。そして、そのポジションには昔からタバコの姿があった。タバコが私たちの前から姿を消しつつあるとすれば、一体何が次なる物差しになるのだろう……。

重要なのは、身の回りにいつもある手軽さ、どんな時でもさっと取り出せる携帯性や、誰もがその大きさをリアルにイメージすることができる普遍性、つまり統一された規格を持っているというポイントではないだろうか。それを踏まえた上で、知り合い20名にアイデアを募ってみた。「物の大きさを比較するのに、最適なアイテムは何だと思いますか?」

まず一番多かった答えは、「iPhone・iPod」。なるほど、これなら手軽に比べられる。携帯性も、サイズの統一性も問題なし。iPhoneのここ最近の普及率は凄まじいものがあるし、iPodとなるとさらに普及していそうだ。試してみてもこの通り、しっくりくる(写真上)。
iPhoneやiPodでいいなら…もちろんiPadもアリだろう! と思い、西郷隆盛像の大きさと比較してみた。ちなみにiPadは持ってないので黒い下敷きで手をうったのだが、気づいただろうか(写真下)。

さて、次に多かったのが、「財布の中の硬貨や紙幣、カード等」というアイデア。確かにこれらも身の回りにいつもあるし、普遍的なサイズを持っている。他の回答者から出た「名刺」という意見もこれに近いものかもしれない。が、これ、試していて気づいたのだが、良い物差しの条件として「自立する」っていうのも大きいかもしれない。平面に立てることができるか、という点。例えば「こけし」の大きさを人に伝えたい場合、自立するものであれば隣に立てるだけで良いが、名刺やカードでは、「こけし」を床に寝かせる必要があり、「こけし」の横回転に悩まされることになるだろう。それで言えば、1位の「iPhone・iPod、そしてiPad」も、薄さを重視するあまり自立性に乏しいため、タバコの座には届かないのかもしれない。硬貨ならなんとか立つが、転がって無くなりそうで怖いし……(追記:ちなみに6月24日に発売される「iPhone4」は、底面がフラットになっており、ニュース画像で見たところ立つらしい! さすがアップル! わかってる!)。

フリスクやMINTIAなど、「ミントタブレットのケース」という意見も多かった。個人的には常時持っているアイテムではないので、携帯性の高さに確信が持てなかったが、フリスクのケースなら自立する! そこが長所。


ここからは少数意見となるのでザッと紹介。まず、「ニンテンドーDS」。同じ発想で「PSP」もアリだろう。

「端麗グリーンラベルかワンカップ」という、いきなり具体的な意見もあった。回答者の酒びたり具合が少し心配だが、言われてみれば、缶入りの飲料だと大きさがイメージしやすく、いいかもしれない。ペットボトル等もありだろう。

次は「俺もう禁煙間近!」と息巻く喫煙者の意見で「100円ライター」。タバコやめたらライターいらないはずなのに!

その他、「リップクリーム」「文庫本」「CD」「切手」「ガム」「ガリガリ君」など、様々なアイデアが集まった。

また、今回、記事を書くにあたってネットで下調べをしていると、オークションサイトで、出品者が商品画像を掲載する際、品物の大きさがタバコと比較されていると、出品者が喫煙者であると宣言しているようなものとなり、匂いを気にして購買意欲をそがれるという意見も散見された。

そこで、オークションサイトにどんな「物差し」が使われているか観察してみると、実際にメジャーや定規を横に置いているケースがかなり見受けられつつも、「電池」「100円ライター」「硬貨」など、出品物の大きさ、形状によって様ざまなアイテムが使用されているようだった(タバコを物差しにしているケースも、まだまだ多いように見受けられました)。

今回の調査では、とりあえず「iPhone」に物差しの座を譲る気になってきたが、まだまだ様々な意見がありそうだ。アイデア大募集中です!
(スズキナオ)
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