年々参加希望者が増えているという『東京マラソン2011』まであと少し! 目標タイムを切るため、自己記録を少しでも伸ばすため、完走するため……と目標はさまざまだと思いますが、この日のために練習されている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回はなんと『東京マラソン2011』の参加権を手に入れられたという東京、広尾にある『広尾治療院』院長、川口博基先生にトレーニング後の自分でできるケア方法について伺ってみました。

「一番大切なのは、自分が気持ちいいと感じる程度にカラダをストレッチしてあげること。
まずはアキレス腱、太ももの裏、すねの前、太ももの前を伸ばしてあげましょう。カラダの前面を伸ばすときは、女の子座りをしてから状態を後ろに少しずつ倒していくと腿の前がよく伸びます。また足首をほぐすこともとても重要。足首を回すのはもちろん、正座をしてから上体を後ろに傾けて膝を少し浮かせるようにすると、すねから足首、足の甲にかけてストレッチできますよ」とのこと。これは椅子に座りっぱなしのオフィスワーカーの方にとっても気持よさそう!

また川口先生は鍼灸師でもいらっしゃるので、自宅で使える市販のお灸を使ったケアも教えていただいたところ、足のツボ“足三里(あしさんり)”にお灸をするのが効果的とか。すねを骨に沿って下から上になぞると、膝の下あたりで骨の膨らみにあたって自然と指が止まるので、そこから親指の一関節分外側辺りにあるのが足三里。軽く指で押さえると痛かったり気持ちよかったりするツボです。「江戸時代の旅人は足の疲れが取れ、翌日もまたたくさん歩けるようにと足三里にお灸をしていました。胃腸を強くしてくれる働きもあり、滋養強壮にもいい大事なツボで、毎日お灸をして構いませんよ」と川口先生。

他にも、靴の中で窮屈になっていた足をほぐすため、足の甲を気持いいと感じる程度にマッサージしてあげたり、女性がペディキュアをするときに使う足の指を広げるものを指に挟んだり、5本指ソックスを履くなどして足の指を広げて寝るのも効果的だとか。疲れて眠れないようなときは、足を少しだけ高くして寝るのもいいそうです。また走り方にはそれぞれ癖があり、顔を少し傾けて走っていたりカラダの使い方が左右均等でなかったりして、意外と首肩に疲れがたまることもあるとか。
そんな時は首を回したり伸びをすることで首肩のこりをほぐしてあげることも大切だそうですよ。

「幸いケアをしてくれるパートナーがいらっしゃるようなら、うつ伏せに寝て、パートナーの方に背骨の上から尾骨まで上から下へ、下から上へと、骨の上からぎゅ~、ぎゅ~っと圧力をかけるように押してもらうと心身ともに深いリラックスが得られるので、トレーニング後のケアとしてとてもオススメです。こうしてケアをしてくれる人がいる、という精神的な充足感もとても大きいですしね」とのこと。

最後にレース前に体調を崩したり、故障してしまった場合の注意点を教えていただきました。

「体調がよくないときは食事の量を減らしたり、一度胃を空にするなどして半断食をしてあげると体調が回復しやすくなります。食べるとしても脂っぽくない消化しやすいものがいいですね。そして故障してしまったらまずは十分に休憩すること! 痛みが完全に快方に向かっているなと感じたらトレーニングを再開してもいいですが、30代半ばを過ぎたら、頭の中でイメージしている自分のカラダと実際のギャップがだんだん大きくなってきます(苦笑)。先入観ではなく、自分のカラダの声にしっかりと耳を傾けて、無理をし過ぎることなくきちんとメンテナンスをしながらトレーニングを楽しんでくださいね」とのアドバイス。

東京マラソンだけではなく、海外の大会に出られる方も増えている中、ロング・フライトや気候の違い、時差などにより、意外とカラダは疲れていることも。ライフワークとして走り続けたいからこそ、無理せずカラダのケアもきちんとしてあげたいですね。
(鶴賀奈穂乃)
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