水道水をろ過して、かつ冷蔵庫で冷やして飲む。こんなふうに経済的で美味しくふつうの水を味わうには、浄水器が必要。
収納性の高いポット型浄水器の売上数量が前年比171%(全国量販店POS、2010年度1月まで)の高い伸びを示している。その背景は何か。このほど新しいポット型浄水器を発表した東レさんに聞いた。
「現在、冷蔵庫の主力製品で採用されているフレンチドア(両開き)は、ドアポケットへの収納性が片開きタイプに比べ劣るという面があります。また、冷蔵庫のドアポケットはペットボトルや牛乳パックなど収納の競争率が激しいところです。こうしたことを背景に、収納性の高いポット型浄水器が売上げを伸ばしています」
そこで、同社ではコンパクトなポット型浄水器を開発。そして、収納の便利さを追求してヨコに置いても中の水がこぼれない製品『トレビーノ(PT502V)』を世に送り出した。これによって混雑気味のドアポケット以外の場所でも収納可能となったわけだ。それを実現するために、
「ポット型浄水器を横置き可能にするには、原水を注ぐロート部と浄水を溜める浄水部というふたつの水の出口をそれぞれ密閉する必要があります。PT502Vではこのふたつの密閉をひとつの動作で簡単にできることにこだわったため、技術的な難易度が上がりました」とのこと。
さらに、
「密閉は円形のパッキンで行うため、本体容器の上部(浄水の注ぎ口付近)が円筒形になります。一方で、ドアポケットへの収納性や棚置きしたときの安定性を考えるとスクエア形状に利点があります。円筒とスクエア、相反するふたつの形状をうまく組み合わせたデザイン上の苦労に、密閉化の本当のポイントがあります」という。
水をちゃんと閉じ込めつつ、収納性を高めるのはなかなか難しいことのようだ。
他方、同製品は活性炭とイオン交換体のふたつのろ材を採用することで、12項目の物質を各80%除去する。
「11項目を活性炭で、残り1項目(溶解性鉛)をイオン交換体でそれぞれ除去します。水道水中でイオン化した鉛イオンとイオン交換体内の物質を交換することにより、鉛を吸着するのです」
最後に、気になる先般の原発事故による水道水の放射能汚染の影響を踏まえ、浄水器市場の今後の見通しはどうか。
「震災以降、浄水器市場が大幅に拡大していますが、余震や原発問題の収束とともに沈静化してくものと考えています。また、水への意識が高まったこともあり、より安心できる除去性能の高い浄水器に関心が集まると考えています」
水は命の源。いつの時代も、おいしく安全に飲みたいものである。
(羽石竜示)
だが、浄水器は大きくて高価と思って敬遠している人もいるかも知れない。実はそんなこともないようで、手軽でコンパクトな「ポット型浄水器」なるものが売れているとか。さて、それはどんなもの?
収納性の高いポット型浄水器の売上数量が前年比171%(全国量販店POS、2010年度1月まで)の高い伸びを示している。その背景は何か。このほど新しいポット型浄水器を発表した東レさんに聞いた。
「現在、冷蔵庫の主力製品で採用されているフレンチドア(両開き)は、ドアポケットへの収納性が片開きタイプに比べ劣るという面があります。また、冷蔵庫のドアポケットはペットボトルや牛乳パックなど収納の競争率が激しいところです。こうしたことを背景に、収納性の高いポット型浄水器が売上げを伸ばしています」
そこで、同社ではコンパクトなポット型浄水器を開発。そして、収納の便利さを追求してヨコに置いても中の水がこぼれない製品『トレビーノ(PT502V)』を世に送り出した。これによって混雑気味のドアポケット以外の場所でも収納可能となったわけだ。それを実現するために、
「ポット型浄水器を横置き可能にするには、原水を注ぐロート部と浄水を溜める浄水部というふたつの水の出口をそれぞれ密閉する必要があります。PT502Vではこのふたつの密閉をひとつの動作で簡単にできることにこだわったため、技術的な難易度が上がりました」とのこと。
さらに、
「密閉は円形のパッキンで行うため、本体容器の上部(浄水の注ぎ口付近)が円筒形になります。一方で、ドアポケットへの収納性や棚置きしたときの安定性を考えるとスクエア形状に利点があります。円筒とスクエア、相反するふたつの形状をうまく組み合わせたデザイン上の苦労に、密閉化の本当のポイントがあります」という。
水をちゃんと閉じ込めつつ、収納性を高めるのはなかなか難しいことのようだ。
他方、同製品は活性炭とイオン交換体のふたつのろ材を採用することで、12項目の物質を各80%除去する。
「11項目を活性炭で、残り1項目(溶解性鉛)をイオン交換体でそれぞれ除去します。水道水中でイオン化した鉛イオンとイオン交換体内の物質を交換することにより、鉛を吸着するのです」
最後に、気になる先般の原発事故による水道水の放射能汚染の影響を踏まえ、浄水器市場の今後の見通しはどうか。
「震災以降、浄水器市場が大幅に拡大していますが、余震や原発問題の収束とともに沈静化してくものと考えています。また、水への意識が高まったこともあり、より安心できる除去性能の高い浄水器に関心が集まると考えています」
水は命の源。いつの時代も、おいしく安全に飲みたいものである。
(羽石竜示)
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