以前、“日めくりカレンダーのようなストレッチ教本”という記事をお送りしたことがある。
これは、読み方がまさに日めくりカレンダー。
一日につき1種類のストレッチが紹介され、1つ実践したら翌日は次ページのストレッチを実践……と、読み進めていく“壁掛け型”のテキストであった。「カレンダーみたいに目の付く場所に貼っていれば、忘れないで習慣化できるのではないか?」という発想から生まれた一冊だったそうだ。
あれは確かに画期的だったな。今までは無精な性格ゆえ運動不足だった私でも、毎日のストレッチを無理なくこなせたから……。

しかし、自分にはもう一つこなせないものがあるんです。かれこれ、2カ月弱放りっぱなしかもしれない。
アレです。あのことです。「掃除」のことを、私は言っている。
きっと、私のような人種は多いはず。だからこそ、今回はこのような本が生まれたという。ポプラ社から3月19日に発売されたのは、その名も『きょうのおそうじ』(税込み1,155円)。

「日めくりシリーズを思い付いた時、最初から『掃除の本は、自分の中でも必要だ!』と考えていました」(同書編集者のポプラ社・浅井さん)
掃除を苦手とする我々の想いとニーズが形となって、この本は出来上がった。

ちなみに『きょうのおそうじ』の著者は、今まで2000件以上の暮らしの悩みを解決してきたアメニティアドバイザー・近藤典子先生。実は、この方も同書の中で告白している。
「お掃除、好きですか? 私は大嫌いでした」(近藤先生)
理由は「やってもやってもキリがない」、「一生懸命やっても、思ったよりキレイにならない」、「疲れる」、「面倒くさい」……。思いっ切り、ぶっちゃけていただきました。お掃除のプロも、元は我々と同じ人種だった!

だからこそ、同書にまとめられているのは「毎日、これだけ?」と驚かされる、目からウロコの簡単ワザだという。

では、どんなテクニックが紹介されているか? チラッとご紹介させていただくと、「くすんだ鏡をピカピカにする方法」、「窓のピカピカを長く保つ裏ワザ」、「便器の水たまりの輪ジミを放っておきながら掃除する方法」などなど。これらの“短時間おそうじメニュー”が、またしても55日分の日めくりカレンダー方式で紹介されているのだ。
「全てを伝えようとしても一冊では収まらないので、『まずはやってほしいな』という55項目をご紹介しました」(近藤先生)
これをリビングやキッチンなど、普段から目にする場所の壁に掛けておく。すると、知らず知らずのうちにお掃除スキルが向上しているわけだ。

そして3月某日、ポプラ社で近藤先生と直接お会いしてのインタビューをさせていただきました! 実際に話を聞いてみると、これが面白くて。とにかく、考え方が柔軟なのだ。

「すごい極端な話になるんですけど、お掃除がどうしてもできないという方は、それでもいいと思っているんです」(近藤先生)
先生曰く「お掃除は、義務感でやるものじゃない!」。自分がどうしても忙しい時、ここだけは気を付けようという汚れを把握し、無理のない範囲に手を付けていく。それを知るためのナビゲーターとして、同書を役立ててほしいという。

そのためには「洗剤」、「水」、「労力」、「時間」という掃除の4大要素を理解する必要がある。これさえ知っていれば、ムダを回避することができる。
そして、それらは全て同書で説明されている。
快適な洗剤術、“最大の洗剤”である水の活用法、労力をカットしてくれる道具たち、場所や汚れ具合に応じた“おそうじ頻度”(毎日、週に一度、3~4か月に一度、など掃除をする頻度が場所ごとに分けられる)。
「皆さん、お忙しいですもんね。そんな中、掃除に時間が取られると自分が損した気分になって来るんですよ(笑)」(近藤先生)
本当に、ご理解いただけて……。でも基本さえ知っていれば、掃除にムダな労力をかけることもなくなる。掃除を嫌いになることもない。スミマセン、あと少しで私も掃除が嫌いになるところでした!

それにしても、この一冊はまさにお掃除の“裏ワザ本”。
目からウロコのスキルばかりが掲載されているな……。
「私自身、昔は掃除のことを何も知らない状態からスタートしていますので、みんなに伝えたくてしょうがないんです。本当にラクをしてほしいんです!」(近藤先生)
編集者である浅井さんも、「先生から原稿を頂き、それをすぐに知り合いに教えると『なるほど!』って。私が考えたわけじゃないのに自慢できました(笑)」。

気持ちはわかる。すでに、私も周囲に自慢している。自分発案のアイデアとして「デリケートな装飾品(フィギュアなど)の、ホコリの落とし方」を。
掃除をすると気持ち良くなれるし、裏ワザを知人に教えるのも気持ち良かったです。
(寺西ジャジューカ)