ハンガリーには体に良いお酒が存在する。その名もウニクム。
数十種類のハーブを混ぜて造られたアルコール分42度のリキュールだ。ハンガリー国内では有名な銘柄のひとつで、胃腸の調子を整え健康増進させるという。首都ブダペストにある、ウニクムを製造するツバック社のビジターセンターへ行ってきた。

「ウニクムの歴史は、1790年にハプスブルグ家の家臣であったツバック家が、皇帝ヨーゼフ2世の健康のため醸造、献上したことにはじまります。共産党政権時代に工場は国営化されましたが、現在は再びツバック家が経営しています」(同センター)

ウニクムはハンガリー語で「ユニーク」という意味で、皇帝ヨーゼフ2世がウニクムを飲んだときそう感想を言ったことに由来するそうだ。ちなみにヨーゼフ2世は、フランスに嫁いだマリー・アントワネットの兄にあたる。

ビジターセンターの見学は3部構成。ウニクムに関する映像の上映と博物館、試飲からなる。博物館内には、歴史的な品々から最近の製品にいたるまでウニクムとツバック家に関するものが展示され、現在に至るウニクムの歴史を知れる。また館内上方には、世界中から集めたリキュールのコレクションも所狭しに並べられている。中には日本のメーカーが製造するウィスキーもあった。バーになっている試飲スペースでは、それぞれ個性が異なる3種類のリキュールを試せる。
どのアルコールも度数が高く、お酒に弱い人は酔っぱらってしまう。

ウニクムの基本的な飲み方はストレート。食前もしくは食後酒として出される。しかし割って楽しむことも可能だ。例えば、ウニクムとトニックウォーターを1対3で混ぜレモンを添えるロングトニック。ウニクムと白ワインを1対1で加えるスレッジハンマー。ウニクムとアセロラドリンクを1対10で割ってもよい。さらに紅茶に少量のウニクムをたらしてハーブティー気分や、温かい牛乳もしくはお湯にハチミツと一緒に加えてハーブドリンクにも変わる。バニラアイスクリームに、少量のウニクムを味のアクセントとして加えてもOKだ。

ウニクムは日本でも購入できるので、一度ハンガリーが生んだ独自の風味を試してはいかが。
(加藤亨延)
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