男性の皆さん、大切な人の「乳がん検診」気にしたことありますか?

乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを訴える「ピンクリボン活動」。この時期、企業や地域団体などのライトアップやウォーキングイベントなどで、乳がん検診の啓発キャンペーンが行われる。
ピンクのリボンを見ると「検診に行かなきゃ」と思う女性も増えたのではないだろうか。そんな中、ピンクリボン活動に取り組み、今年で10年目を迎える株式会社ワコールが、初めて「男性向け」のピンクリボンキャンペーンを行っている。女性に向けた「乳がん検診啓発キャンペーン」はよく見るが、「男性に向けた」取り組みは珍しい。

男性が大切な人に向け、「乳がん検診、毎年忘れないでね」などというスペシャルメッセージを添えたギフトを贈り、夫婦で乳がん検診の重要性を話そうというのがコンセプトの「夫が選ぶピンクリボンギフト」(10月31日まで)だ。同社が「スパイラルオンラインストア」とタッグを組んだ。10月のピンクリボン月間に、グラスや写真立てなどのギフト(1995円~4900円)を選び購入すると、ブレストケアの小冊子やオリジナルメッセージカードとともに、ピンクリボン仕様のラッピングに包まれ、11月22日(いい夫婦の日)に配達されるという仕組み。


ワコール広報・宣伝部の鳥屋尾さんに話を聞くと、同社の社員意識アンケート(2012年5月実施)では、男性社員のピンクリボンに関する知識、意識は高いにも関わらず、身近な女性(妻)に検診を進める割合は3割と低く、夫婦間でも「乳がん」について話すのは難しいという結果が出たという。

今や、日本人女性の16人に1人が乳がんになると言われ(国立がん研究センター調べ)、定期的な検診や早期発見が何よりも大切だといわれる。徐々に「乳がん」についての意識が高まってきているとはいえ、私のように会社に属さない人や、周りの女性の中でも子育てに忙しい人など、「まだ、大丈夫だろう」「来年は受けよう」と、検診を後回しにしてしまうという女性も少なくない。

「30歳から64歳までの壮年期に限ってみると、乳がんが、がんによる死亡原因の1位になっています。弊社社員の乳がん検診率を見ると、現在は女性社員の約8割が受診をしており、この10年で受診率は上がりましたが、日本は、先進国の中でも、乳がん検診率が低いのが現状です」(鳥屋尾さん)

男性からギフトがさりげなく届くことで「ちゃんと気にしてくれているんだ」という想いと同時に、普段話さないことを改めて話し合うきっかけができ、「乳がん検診に行こう」という啓発にも繋がる。「男性にも知識を身につけていただき、大切な人や妻のからだを大切に思い家族でサポートしてほしい」(鳥屋尾さん)。
そんな想いが込められた男性向けのピンクリボン活動。「そんな世の中になれば嬉しい」と、女性の評価は高いという。

まずは、男性が発信するピンクリボンメッセージとして、大切な人を思う気持ちを伝えてみては?
(山下敦子)