日本の郵便事情は実に正確できめ細かい。年賀状投函が年末ぎりぎりだと元旦に届かないなどあるけれど、基本ポストに入れれば安心だし、書留や重要書類では再配達も時間指定。宅急便のメール便や、どうしてもという時はバイク便だってある!再配達の希望時間帯表に、イタリア人は「信じられない!」と絶句、ルーマニア人は「希望どおりに届くの?」と半信半疑。約束も午前中・午後とか大枠でくくる彼らにとって、2~3時間単位の指定なんて神業なのかも(笑)。朝収穫の野菜を家族に送ったり、上京中の息子にお惣菜やさばいて衣までつけて揚げるだけの故郷の魚を送るとか、「ちゃんと届く、しかも時間以内に届く」ことが前提だからできること。日本って実にすごい、手厚すぎる、と今でも感動する。
海外とのやり取り、挨拶や仕事もネットを介して多くなってきたとは言え、やはり郵便を使いたい時はある。ルーマニア、イタリア、そして南米旅行の際、受けとる時も送る時も色々悩まされた。年末に素敵なカレンダー入り郵便が揃って届かなかったことや、税関で検査された荷物が封がきちんと閉められておらず大変な状態で届いたことも。
送る側も受けとる側も気になるのは「届かない郵便物はどこで消えるか?」
国や時期により事情は異なるが、
1.国内で集荷・配達中に どこかで置き去りに・無くなるケース
2.郵便局から配達されていないケース
が多いようだ。
1は、ある国で見てしまった。ちょうど郵便・配達員が駅構内にいたが、荷物管理がものすごい適当。駅はスリも多くあまり安心できない場所なのに、荷台を置いたまま配達員がどこかへ行ってしまった。こういう配達・集荷中の荷物が置かれているケースは日本でもあるが、それで問題が起きないのは日本だからかもしれない。置き去りにされた荷物を物色しているホームレス。これでは荷物がなくなるわ、封筒や箱から高価なものと分かる郵便はやめよう、と思った瞬間。
2では、局内でどこかに紛れてしまった、処理しきれていないのならまだ分かる。実は海外郵便や大きな荷物を郵便局の窓口に持っていくと、その郵便料金分の切手をぺたぺた貼るところがあり、郵便局員が切手を貼らずに代金を着服するケースがあるのだ。郵便が殺到するクリスマス時期などは特に多い。
もうひとつ、きれいに送ってもらうために工夫をしよう。日本の郵便物は、雨の日の新聞もちゃんとパッキングされ濡れない配慮がある。海外では封筒がびちゃびちゃで、手紙の文字が見えないのも困るけど、大事な書類をまた1からやり直し、ということもあったもの!汚くなったポストカードをみると、今度からはポストカードだけど封筒に入れて出そう、と思ったり。
と、ここまで読んで、海外で郵便を出せない!と思ったあなた、日本の手厚すぎるサービスに慣れきっているのかもしれません。世界的に見たら、日本のケースがレア、日本が特別と考えれば、多少の遅れや汚れは気になりません、ね!? クリスマスカードも結果ちゃんと届いたのだから良しとしよう!
「1カ月の遅れなら早い方よ! 送ってくれると言われてた荷物が半年ぶりに届いたから、届く頃に忘れていたわよ(笑)」とのんきな海外歴20年にもなる友人からも学んだのでした。
(川上・L・れい子)