日本で協議離婚する場合は、当人同士の署名と捺印、プラス、証人2人が署名と捺印した離婚届を必要書類と共に役所に提出するだけで簡単に離婚が成立する訳ですが、イタリアは流石カトリック総本山のお膝元。第二次世界大戦以降は1970年まで法的な「離婚」が存在していなかったのです。
そんな国ですので、現在も正式に離婚するには、「別居」から3年以上の時間が過ぎない限り「離婚」には至らない仕組みになっているのです。
ではここで、一番簡単な協議離婚を例に、イタリアの離婚の流れを説明しましょう。
イタリアでの協議離婚の第一ステップは「別居」の申請から始まります。この申請は、正式書類を作成の後、(基本的にこの書類は、弁護士が作成する必要はないそうですが、あくまで法的な書類文書なので、一般の方では作成が困難ため、弁護士に作成してもらう方が多いようです)、この書類を裁判所の事務所に届け出て、裁判の予約をします。市町村にもよりますが、ミラノでは、この予約から通常5~6ヶ月後に、裁判の日程が設定されるようです。裁判と言ってもあくまで「協議離婚」ですので、裁判官が提出された書類文書を読み上げ、双方に間違いないかを問いただし、両者が同意した後にこの書類に署名することで、「別居」が正式に認められます。
ちなみにこの「別居」はまさしく「結婚」と「離婚」の中間地点に位置するため、夫婦それぞれに、別の恋人が存在しても法的に「不倫」扱いにはなりませんし、別の恋人と同居することも可能。
ただ別の恋人と「結婚」することはできません。また相手が宝くじに当たった、親の遺産を受け取った等の「特別な収入」があった場合には、配偶者として財産分与を申し立てることも可能です。またこの「別居」の時点で夫が死亡した場合には、妻は夫の年金を自動的に受け取るようになります。
また「別居」している夫婦と言っても、それは書類上のことであって、実際は同じ屋根の下で生活しながらも、それぞれが自由な生活をしている夫婦もあるようですし、税制上の理由から円満な普通の夫婦として生活しながらも、書類上だけ「別居」にしている夫婦も多々あるようです。
さて、とにもかくにもこの裁判官の前で署名した「別居」から3年経過した時点で、「正式離婚」を希望する方は、「離婚」の申請をすることが可能になります。
こうしてどんなに早くても3年プラス裁判の予約待ち日数が必要なイタリアの離婚。正式書類の作成から予約待ち時間等を加算すると基本的には、どんなに早くても4年、通常は5~6年かかるのが現状と言われています。そもそもこの別居期間は「時間をおいて、頭が少し冷めたら、夫婦間のヨリも戻り、離婚が避けられるのでは?」と言う意味合いから3年の別居期間が設定されたようですが、イタリアの離婚件数は年々増加傾向にあるそうで、2010年の1年間の統計では、「別居」は88,191件、「離婚」は54,160件となっているそうです。
(山口けいと/studio woofoo)
(カトリック教では宗教上、離婚はあり得ないことになっています)
そんな国ですので、現在も正式に離婚するには、「別居」から3年以上の時間が過ぎない限り「離婚」には至らない仕組みになっているのです。
ではここで、一番簡単な協議離婚を例に、イタリアの離婚の流れを説明しましょう。
イタリアでの協議離婚の第一ステップは「別居」の申請から始まります。この申請は、正式書類を作成の後、(基本的にこの書類は、弁護士が作成する必要はないそうですが、あくまで法的な書類文書なので、一般の方では作成が困難ため、弁護士に作成してもらう方が多いようです)、この書類を裁判所の事務所に届け出て、裁判の予約をします。市町村にもよりますが、ミラノでは、この予約から通常5~6ヶ月後に、裁判の日程が設定されるようです。裁判と言ってもあくまで「協議離婚」ですので、裁判官が提出された書類文書を読み上げ、双方に間違いないかを問いただし、両者が同意した後にこの書類に署名することで、「別居」が正式に認められます。
ちなみにこの「別居」はまさしく「結婚」と「離婚」の中間地点に位置するため、夫婦それぞれに、別の恋人が存在しても法的に「不倫」扱いにはなりませんし、別の恋人と同居することも可能。
ただ別の恋人と「結婚」することはできません。また相手が宝くじに当たった、親の遺産を受け取った等の「特別な収入」があった場合には、配偶者として財産分与を申し立てることも可能です。またこの「別居」の時点で夫が死亡した場合には、妻は夫の年金を自動的に受け取るようになります。
また「別居」している夫婦と言っても、それは書類上のことであって、実際は同じ屋根の下で生活しながらも、それぞれが自由な生活をしている夫婦もあるようですし、税制上の理由から円満な普通の夫婦として生活しながらも、書類上だけ「別居」にしている夫婦も多々あるようです。
さて、とにもかくにもこの裁判官の前で署名した「別居」から3年経過した時点で、「正式離婚」を希望する方は、「離婚」の申請をすることが可能になります。
これも同じく裁判所に必要な正式書類を提出し、裁判の予約をします。そして「別居」の時と同じように、5~6ヶ月後に設定された日時に裁判所へ行き、裁判官が「離婚書類」を読み上げ、双方納得の上、書類に署名して正式に「離婚」が認められます。
こうしてどんなに早くても3年プラス裁判の予約待ち日数が必要なイタリアの離婚。正式書類の作成から予約待ち時間等を加算すると基本的には、どんなに早くても4年、通常は5~6年かかるのが現状と言われています。そもそもこの別居期間は「時間をおいて、頭が少し冷めたら、夫婦間のヨリも戻り、離婚が避けられるのでは?」と言う意味合いから3年の別居期間が設定されたようですが、イタリアの離婚件数は年々増加傾向にあるそうで、2010年の1年間の統計では、「別居」は88,191件、「離婚」は54,160件となっているそうです。
(山口けいと/studio woofoo)
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