以前、ある友人から「俺のPCはいつも電源オンのままだよ」 と聞いたことがある。作業が終わってもそのままの状態にしておくのだという。

そのほうがすぐ使えて便利だし、それでいまのところ壊れたことはないそうだ。その後どうなったかは知らないが、意外とこういう使い方をしているユーザーもいるのだ。

でも、電源入れっぱなしで本当にPCに負担がかからないのだろうか。気になるのでPC関連会社のリンクスインターナショナルに聞いてみた。

実際、PCユーザーで「電源オン状態」で常時使用している割合は推測で何割くらいいるのだろう?
「通常のデスクトップ用途として考えれば、3割に満たないと推測します」
へぇ、でも3割弱もいるのか。電源オン状態ユーザーって。


常時電源オン状態で使い続けることによる、PCへの影響はないのだろうか?
「常に通電しているということを踏まえると、常に負荷がかかっているわけですから、少なからず電源や製品としての寿命は消耗していると考えられます」

やっぱり。そうだとなんとなく分かっていても、オン状態で使い続けることに慣れてしまった人はなかなか止められないんだよなぁ。
「基本的にデスクトップ向けのHDDは24時間の連続稼働を考慮していないものが多く、電源なども消耗品なので、使っていないのであれば電源オフにしておいた方が良いと一般的に言えます」

消耗品だから、いずれ寿命が来る。それを納得した上で割り切って、利便性重視のオン状態で使い続けるのもありなのかも知れない。ならば、あとは省電力の電源を使うことで、電気代を少しでも節約したいところではないか。
「そうですね。
より省電力なパーツを選択することで、使用時はもちろんのことアイドル時やスリープ時に待機電力を押さえることができます」

ちなみに、省電力で、比較的長寿命の電源製品の例は以下の通り。

Corsair 80PLUS PLATINUM電源「AX860i」
Corsair 80PLUS GOLD電源「RM650」

「電源は使用環境や用途によって症状は異なりますが、寿命が近くなると(俗にいうヘタリ)各電圧が徐々に低下することがあります。アイドル時やネットサーフィン程度では問題なくとも、負荷が変動する瞬間、起動時、再起動時にブートに失敗したり、ゲームプレイ時などに突然ブルースクリーンやシャットダウンしてしまうなどの症状も出てきます」

「なるべくPCを長持ちさせたい」 という人は面倒かも知れないが、作業が終わったら電源はオフにしたほうがいいということ。いつでも使える便利さを取るか、それとも製品寿命を優先するか、それはユーザー自身の判断。あなたはどちらを選ぶ?
(羽石竜示)