昭和の頃、お誕生日やクリスマスの定番だったというバタークリームのケーキ。少し黄色っぽく固めのクリームに、生のフルーツではなく、アンゼリカという赤やグリーンの砂糖漬けが飾られているのが定番だったという。
かつての日本には、そんな「バタークリーム黄金時代」があったのである。

その後、生クリームのケーキが主流となってからはすっかり日陰の身(?)となったバタークリームケーキだが、最近手みやげでいただいたことから初めて食べてみたところ、そのおいしさにビックリ!! 個人的にはむしろ、生クリームのケーキより好きかもしれない……。

と、そんなきっかけがあって調査してみたところ、ネットでもバタークリームのケーキがじわじわ人気のようで 復活&ブームの予感!? その多くが「懐かしの味」をうたい、デザインもいまどきのスイーツというより、バラの花などをあしらったパステルカラーでやさしく温かな昭和テイストが主流のよう。

【昭和の味】バタークリームのケーキが復活&おいしくなっている!

こちらは、神奈川にある洋菓子店、「ロリアン」のバタークリームケーキ。昭和40年に開業したこちらは、親子3代で通い続ける人も少なくない老舗。一時は時代の流れでつくらなくなっていたバタークリームケーキを、平成のいま復活させた理由はなんだったんでしょう?と聞いてみたところ、

「実店舗に来られる年配のお客様から、昔食べたバタークリームのケーキがまた食べたいんだけど、つくってくれない?と頼まれることが時々、ありまして。
当店は2003年頃からオンラインショップも運営しているのですが、お客様からメールでバタークリームケーキはつくっていないんですか?とお問い合わせをいただくこともありました。それまでは個別に対応していたのですが、3年ほど前からネットで販売をスタートしたところ、他ではあまり見かけないこともあるのか、反響をいただくようになりました」とのこと。

なお、ロリアンのバタークリームケーキは、昭和の頃のデザインをそのまま復刻しているそうだ。いま、こういうデザインのケーキってあまり見かけなくなりましたよね……。ケーキを食べることが、特別な非日常だった時代をほうふつとさせる、レトロなロマンティックさがたまらない。

ただ、見た目は昭和でも違うのは味だそう。


「昔、食べたことがある方はバタークリーム=固くてまずいものと思っている方が多いのですが、いまはバターそのものの質が格段に良くなっていますから、バタークリームももちろん、おいしくなっています。オンラインショップでは30代くらいの娘さんが、お母さんの誕生日にプレゼントする……というケースも多いのですが、そこでバタークリームの味を知った娘さん自身が、気に入ってリピーターになってくださることも多いんですよ」とのこと。

「ロリアン」ではバースデー需要のほか、昨年末のクリスマスにもバタークリームケーキが大人気だったという。今後はチョコレートでコーティングしたものなど、ラインナップを増やしていくことも考えているそうだ。

【昭和の味】バタークリームのケーキが復活&おいしくなっている!

さらに調査してみたところ、スーパーなどで買える商品のなかにも、「懐かしのバタークリームケーキ」なるものを発見!(これは神戸のサンローゼという会社が出しているもので、価格は200円前後だった)。コンビニなどにバタークリーム系のスイーツが登場する日も近いのかもしれませんね!? 
と、そんなわけで昔のままでの味ではないものの、懐かしさと温かさをはこんできてくれるバタークリームケーキ。
引き続き、静かなる復活(!?)を見守っていきたいと思います。
(まめこ)