事故が相次いだことを受け、組体操を中止にする学校が増えている。なぜ今まで規制されたなかったのか疑問だ。
組体操に限らず、学校空間には危険が多い。代表的なものが遊具だろう。今回は人知れず学校空間から消えた危険な遊具たちを取り上げてみたい。

1.グローブジャングル
格子状になっている球状の鉄骨がぐるぐると回転する。リミッターがないため、かなりのハイスピードが出る。グローブの内側にこもっていれば目を回すくらいですむが、外側にいると、足が地面にぶつかったり、グローブの下側に巻き込まれるなど事故のリスクが高まる。

組体操中止で思い出される学校空間の危険な遊具

2.回旋塔(かいせんとう)
中央の棒の上に、傘のように金属の輪がかぶせられており、回転するようになっている。そこにぶらさがり、ぐるぐると回る遊具だ。スピードが出てくると、遠心力がかかり、バランスを取るのが難しい。強く捕まっていないとあっという間に飛ばされてしまう。この遊具、同じ体格くらいの子供がお互いのバランスを絶妙に保っていないと安全に遊べない。だが、子供はルール通りには動かない。
輪っかをゆらし、人をふるい落とす“イタズラ”が行われることもあった。

3.遊動円木(ゆうどうえんぼく)
聞き慣れないフレーズかもしれないが、縦長の複数人が乗れる巨大ブランコといえばわかるかもしれない。もともとは丸太が使われていたが、のちに鉄板が用いられるようになった。バランス感覚を養う遊具として登場したが、これも前後にいくらでも動かせるため、激しく動く中での落下事後が相次ぎ、学校空間からは消えつつある。

4.ぶら下がり式シーソー
空中シーソーとも呼ばれる。双方がぶら下がりバランスを取りながら、上下に動かしてゆく。
だが、一方がいきなり手を離した衝撃で相手が放り出される事故が多発。通常のシーソーでも、地面の着地点との間に手足を挟まされる事故が発生。リスクだらけの遊具である。

5.ブランコ
普通に遊んでいる分には問題ないものの、これまたリミッターがないため前後に激しく揺れているうちにずり落ちてしまう。あるいはブランコから飛び降りる遊びをする中で着地に失敗し足を捻挫したり骨を折る事故が発生。さらに、ブランコ自体が老朽化し、遊んでいる途中で鎖が切れる、外れるといった事故も起きている。


今から思えば学校空間は危険な遊具であふれていたといえる。いずれも、普通の遊び方をすれば事故は起きないものだが、そこは子供。当然無謀な行動を取る。そもそも“危険な遊び方”ができてしまうこと自体が問題だった。
(下地直輝)