銀座でなぜか海のニオイ、「赤潮」の影響はありえる?
銀座で潮風を感じるのは不思議な気分です(画像はイメージ)。

7月8日、有楽町・交通会館から銀座駅周辺を歩いていたところ、辺りに漂う潮風のニオイに驚いた。

べたっとした風が、妙に魚臭いというか、生臭い。
近くに海があるのではないかと思うほどだ。

でも、銀座まで海のニオイなんて漂ってくるもの?

不思議な気がしていた矢先、気になるニュースを耳にした。それは「千葉市など東京湾北部の沿岸部でプランクトンの大量発生による赤潮が起こり、悪臭の苦情が相次いでいる」というもの。
もしかしてコレ? と思ったが、まさかそんなニオイが銀座まで来ることなんてあるのだろうか。気になって、Twitterを調べてみると、「待って銀座駅臭い」「風向きか?銀座が少し海臭い」(7月13日)、「銀座の中心部が臭い 公園のトイレみたいなにおい」などの声があった。

さらに遡ると、2015年の海の日に、東京都内で「磯臭い」「海臭い」という情報が続出したことがあったよう。
著名人のTwitterでも、こんなつぶやきが見られた。
「外に出たら海の匂いした! 海の日やから、、?」(横山由依)
「何か今夜の東京は海の匂い、それもちょっとちょっとくさめの海の匂いがしないか? 俺だけか?」(カンニング竹山)

銀座で海の匂いって、ありえるの? もしかして赤潮と関係あるの? 気象庁「天気相談所」に聞いてみた。
「銀座周辺が海臭いというのは、海から入ってくる風の影響で、考えられます。暑い時期には海の水分が蒸発し、匂いを持った空気が横風であおられて運ばれてきます。乾いた空気の場合は匂わないのですが、湿度が高いと、匂いものせてくるのです。特に南風がずっと吹き続けているときには、埼玉あたりまで匂いが漂ってくると言われていますから、銀座あたりが海のような匂いになることは、十分あり得る話です」

つまり、千葉のほうで話題になっていた「赤潮の影響による悪臭」が、銀座まで影響を及ぼしている可能性は十分あるということらしい。


これって、温暖化の影響なのかと聞くと……。
「いえいえ、これは最近始まった話ではなく、むしろ昔はもっとひどかったんですよ。昔はもっとヘドロのような匂いが海から銀座も含めた都心まで運ばれてくることがよくありました。それが、近年は東京湾がきれいになったことで、海からくる悪臭は格段に減っているくらいなんです」

海が近くにあるわけでもないのに、海の匂いが漂ってくると、ちょっと不思議で、ちょっと不気味にすら感じる。だが、かつては都心でもそれが当たり前であり、何か不吉な変化の予兆というわけではないらしい。

とりあえず安心しました。

(田幸和歌子)