1ドル=88-89円前後でもみ合いが続くドル/円相場。方向感の定まらない相場状況下において為替取引で勝つ方法とは?「みんなのFX」を提供するパンタ・レイ証券の平松英一郎・FX事業部長に聞いた。


――ドル/円相場の今後の見通しは?

 方向感の定まらない相場状況が続きそうです。市場では、1ドル=87円のダブルボトム(2つの底値)を付けたので、今後は円安に向かうとの見方もあれば、「100年に一度の危機」なので、米国経済が回復するまでには時間がかかり、ますます円高が進むとの見通しもありますが、わたしは、向こう1カ月間は1ドル=87-92円のレンジで推移するのではないかと見ています。

 ちょっとした材料でも大きく値が動くため、1日当たりの変動幅(ボラティリティ)はかなり大きくなっています。中長期的な相場見通しに基づいて取引するよりも、短期の大きな値動きに着目してサヤを抜く取引が向いている状況だと言えそうです。変動幅が大きいということは、リスクも高い半面、より大きな収益を狙えるチャンスでもあるのです。

 当社はFX業界で初めてドル/円取引のスプレッド(買値と売値の差)を1銭からにした会社ですが、スプレッドが狭いほど取引コストは低く、利益幅は大きくなるので、とくに短期取引を行ううえでは有利です。
短期取引でも、損切りなどのリスク管理をきちんと行って取引すれば、損失を最小限に抑えながら利益を追求することができるはずです。

――リスク管理はどのように行えばよいのでしょうか?

 当社の「みんなのFX」をはじめ、FXの取引システムは年々改善されており、通常の成行や指値注文だけでなく、さまざまな注文方法ができるようになっています。

 たとえば、「○○円になったら新規ポジションを持って、○○円になったら決済する」という注文が一度に出せたりとか、決済注文を利益確定と損切りの2通り出せたりする複合注文を活用するのも方法ですね。あらかじめ方針を立てて注文を入れておけば、相場状況に応じてシステムが機械的に執行してくれるので、狼狽や迷いによって、利益確定や損切りのタイミングを逃す心配が少なくなります。とくに損切り注文をきちんと入れておいて、損失を限定しておくことは大切です。

――スワップポイント(金利差)を期待する「キャリー取引」は、当面は通用しないのでしょうか?

 ドルと円の金利差はほとんどなくなっていますし、今後円安が進むかどうかもはっきりしない状況ですので、ドル/円の「キャリー取引」は難しいと思います。
スワップポイントを狙うのであれば、ドルの金利も円と同じくらい下がってきているので、ドル/ポンドやドル/豪ドルなどの通貨ペアを選ぶのも方法ではないでしょうか。

 ただし、ドル以外のクロス円取引(外貨と円の取引)や外貨同士の取引の変動幅はドル/円以上に大きいので、より緻密なリスク管理を行うことが大切です。(文責:サーチナ・メディア事業部)

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