中国・国家語言文字工作委員会の李宇明副主席は17日、中国人名のローマ字表記にかんする規則を、近く発表することを明らかにした。「姓を先、名は後」と、姓名の表記の順番を統一する。
中国新聞社が報じた。

 これまで、中国人の姓名は、ローマ字で表記する場合でも原文通りに「姓を先、名を後」とすることが多かった。例えば、毛沢東の場合、英文などでも「Mao Zedong」と紹介されてきた。しかし最近は、スポーツの国際試合や学術における国際会議などで欧米風に名を先に書くこともあり、中国人だけでなく、外国人も混乱することがあった。

 李副主任によると、改めて「ローマ字でも姓を先、名を後」に書く規則を徹底する。それ以外でも、中国語文章における算用数字や記号の使い方について、改めて規則をまとめて発表する。

**********

◆解説◆
 中国・国家語言文字工作委員会は、漢字の書体(略字体)の制定を含め、中国語表記を管理する組織。前身は中華人民共和国成立とほぼ同時の1949年10月に設立された、中国文字改革協会。当初は識字率の迅速な向上を目的にしたが、その後は「社会全体における表記法の統一」にも力を入れるようになった。中国語のローマ字表記についてもさまざまな規則を定めている。

 ローマ字表記(ピンイン)では、実際の発音との対応規則だけでなく、分かち書きの規則も細かく定められている。ピンインは当初、漢字表記の放棄を念頭に作られたが、現在は発音記号の1種として用いられている。
小学校などでは入念に教育されるが、成人になると必要性が薄れ、細かい規則は忘れてしまう人も多い。(編集担当:如月隼人)

【関連記事・情報】
【中国人に聞く】ローマ字で姓名を書く時、姓と名どっちが先?(2010/10/18)
「漢字を世界遺産に、急がねば韓国人にやられる」―台湾(2009/03/10)
広告での「ことわざ“もじり”」を禁止、罰金も=中国・江西省(2010/10/08)
中国人の姓は7000種、柴・米・油・塩・醤・醋・茶、全部あり(2010/10/05)
飲食店の壁に“支那”の文字、「この場合、問題なし」3割=中国(2010/08/03)
編集部おすすめ