中国メディアの参考消息網は19日、米国の軍事・外交情報サイトの「ザ・ナショナル・インタレスト」を引用して、イランはロシアの「Su-30」戦闘機の導入する意向と紹介した。

 Su-30はロシアのスホーイ社が開発し、1997年に運用が始まった戦闘機だ。
中国も改良タイプを含めて約100機を導入した。「ザ・ナショナル・インタレスト」はイランのSu-30導入を「中東の悪夢」と表現した。

 イラン空軍は主力戦闘機として米国製の「F-14」を40機強、ロシアの「MiG-29」を20機強、運用しているとされる。しかしいずれも旧式化しており、核開発を放棄したことで武器輸入の道が開けたことから、戦闘機も購入する可能性が高いと見られていた。

 中国はイランと親密な関係を続けており、核開発の放棄も、中国の説得が大きく奏功したとされている。原油の輸出が出来れば、イランが資金を捻出できると見られることから、中国では「中国製武器を購入する」との見方が高まっていた。


 しかし、「ザ・ナショナル・インタレスト」によると、イランはロシアのSu-30を導入する方針だ。イランのホセイン・デフガーン国防軍需相は16日にモスクワ入りしたが、戦闘機と「S-300」防空ミサイル購入のための交渉のためとみられている。

 さらに、ロシアでは、イラン国防相筋の人物の談話として「デフガーン国防軍需相は、Su-30の購入を考えている」との報道もあったという。

 また、イランはSu-30について、自国内でのライセンス生産を求めているとの見方もある。

 現在、イランは中国製の「J-7(殲-7)」戦闘機を約20機が運用しているとされる。同機はロシアの「MiG-21」の改良型だ。
「MiG-21」の初飛行は1955年で、「J-7」は1966年だ。いずれも「とびきりの旧式機」ということになる。

 イランがSu-30を導入すれば、旧式戦闘機は順次、引退させていくと考えられる。イランの空から、中国製戦闘機が消える日が近づいてきたと言えそうだ。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)Igor Dolgov/123RF.COM。Su-30戦闘機)


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